UAM(都市型エアモビリティ)市場は、多くの自動車メーカも興味を持っている。ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲン社は、中国での旅客用ドローン開発の実現可能性を検討している。フォルクスワーゲンは、これまで電気自動車の生産に多額の投資を行ってきた中国で、都市部のエアモビリティ分野への参入を決定し、安徽省に研究開発施設を建築中だ。
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フォルクスワーゲン会長のHerbert Diess氏と中国エリアのCEOStephan Wöllenstein氏とのディスカッションの中で、Wöllenstein氏は最近、パッセンジャードローンで飛行する機会があり、それが非常に楽しいものであるり、フォルクスワーゲングループとして注目すべきテーマだと言及している。
自動走行を超えて、垂直移動飛行のコンセプトは、特に技術的に親和性の高い中国市場において、我々のモビリティ・アプローチを未来へと導く可能性があります。そのためこの中国の地で産業化する可能性を見極めるために、潜在的なコンセプトやパートナーをフィージビリティスタディで調査しています。
自動車メーカーは、ヒュンダイの約1700億円の投資やトヨタ自動車のJoby Aviationとの提携に見られるように、UAM産業に多大なリソースと専門知識をもたらすことができるが、「空飛ぶ車」の開発に成功するためには、乗り物自体を楽しむこと以上のものが必要となる。最近ゼネラルモーターズが発表した「パーソナル・ドローン」コンセプトは、業界専門家からは、非現実的で懐疑的に見られている。
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フォルクスワーゲンは、EV(電気自動車)への多額の投資を行っていることは、同社の排出ガススキャンダルでイメージが低下した後の必要性からか、適切な航空宇宙パートナーとの相性が良いことを証明する可能性がある。同社は2025年までに80台のバッテリー式電気自動車を導入し、2030年までに全車両に電気自動車を導入する計画だ。この流れからもフォルクスワーゲンがUAMへの投資が選択されるのも当然のことなのかもしれない。
中国は他の産業とは異なり、外国の自動車メーカーが国内での事業の過半数の所有権を維持することを認めているため、フォルクスワーゲンは2025年までに150万台の新エネルギー自動車を納入する計画で、EV製造と国内でのバッテリー生産に多額の投資を行ってきた。
中国のUAM市場に参入すれば、フォルクスワーゲンは、政府の実質的な支援を受けてきた広州に拠点を置くEHangとのコンペティターとなる。EHangは2人乗りのEH216が今年中に中国の民間航空局によって認証され、同社の型式認証申請が受理されている。もしくは、フォルクスワーゲンがEHangと提携するのかもしれない。