Uberは自社ドローンチームに加えるべく、FAA(米国連邦航空局)ライセンスを取得済みのパイロットを募集している。募集要項によれば、主にドローンを使ったフードデリバリー業務に関係する仕事のようだ。
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Uberが募集しているのは、UAS(無人航空システム)航空基準・訓練テクニカルプログラムマネージャーだ。UberEATS製品の都市圏エアデリバリーのために必要な基準開発や操作マニュアルの作成が任される。また、UberのUAS航空スタッフ用の訓練プログラムを設計するほか、地域・州・国家・国際レベルの規制遵守を保証する役目を果たすことになる。
応募条件はさほど厳しくなく、必須なのはビジネス関連の学士、3~5年の実務経験、 Part107による遠隔操作パイロットライセンスのみ。他にもFAAが発行する回転翼航空機や飛行機のプライベートパイロットライセンス、機体操作や決定に伴う経済的影響についてのユニークな理解、FAAとICAO(国際民間航空機関)の規制に関する専門知識などがあれば尚良い。
UASオペレーターが受験する「Part107航空知識試験」は、FAAのルールに則った試験で、商用ドローンを操縦するパイロットは必ず受験しなければならない。試験をパスし、ライセンスを手に入れれば、パート107のルールを遵守しながら操縦することが可能になる。
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このポジションで共に仕事をすることになるのは、Uberの航空オペレーション部門チーフのLuke Fischer氏、航空エンジニアリング部門のMark Mooreディレクターや航空宇宙システム部門のTom Prevotディレクター、オペレーション&安全管理部門の責任者であるStan Swaintek氏などだ。
勤務地はサンフランシスコで、同市を拠点とし、ライドヘイリング・サービスを提供する一大企業「Uber」の運営するフードデリバリーサービス「UberEats」と密接に関わっていくことになる。UberEatsのデリバリーサービスは大盛況だが、Uber全体としての業績はあまり良いとはいえない。2月の報告によれば、2018年度第4四半期の純損失は前年より抑えられたものの、損失は対前年比88%増で、総額8.42億ドルに上ったという。
UberEatsはUberの事業の中でも頭一つ抜きんでている。世界100都市以上で利用可能で、New York Timesによると東京や台湾の台北、韓国のソウルなどの都市ではUberのメインサービスの業績を上回っている。さらに2016年3月から翌年3月にかけて、UberEatsドライバーの配達回数は24倍にまで膨れ上がっている。ただし、飲食店やドライバーへの手数料があるため、UberEatsのマージン自体はそこまで大きくないようだ。
また、ドローンによるフードデリバリーだけでなく、他にもUber Elevateと呼ばれるチームがあり、より幅広い「空のライドシェアリング」を提案している。Uberによれば、空の交通シェアサービス「Uber Air」は2023年には実現する見込みだ。Uber Elevateはエンジニアやプロジェクトマネージャーなどの職種スタッフを募集している。
Uberは、FAAのUAS統合パイロットプログラムと提携している企業の一つだ。このプログラムはFlirteyやGoogleといった大企業、そして10の部族・地方・国家政府を結びつけるもので、夜間飛行や人の頭上での飛行、荷物の輸送など、アメリカでは現在禁止されているタイプのドローンフライトを実験的に行うことを目的としている。このプログラムで得られたデータは今後、アメリカ政府がより複雑なドローンオペレーションに関する新ルールを作る際の参考材料となる。
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ロイター社の報道によれば、Uberは今年4月に新規株式公開に踏み出す予定で、投資銀行家はUberの企業価値をおよそ1200億ドルと評価している。