MATRICE 200シリーズがバージョンアップ!
産業用ドローンとして人気を博しているDJI「MATRICE200」シリーズがモデルチェンジしてVer.2になったのはDRONE.jpをご覧の皆さんはご存じの通りだろう。2月22日に発表され、国内でのデリバリー開始は3月7日から開始された。それも極少数でDJIは在庫がなくなると2ヶ月ほど欠品することを予告している。タイミングよくMATRICE210 Ver.2をオーダー入れて初期ロッドを手にする事が出来たので開封レポートをお伝えしたい。
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従来通りペイロードの数やスタイルで選べる2機種とRTKを搭載した1機種の3種類のモデルが登場した。今回、弊社に入荷したものは210Ver.2である。
大きな段ボールに包まれた宝物
代理店から送られてきた段ボールは想像以上に大きかった。京都の「おもかる石」みたいに持ち上げた時、想像以上に重いのか軽いのかで今後の人生が変わるような気分。届いた段ボールは意外にも思った以上に軽い!これは何か喜ぶべきか?
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段ボールを開けると立派なケースがお目見えする。キャスター付きでハンドルは2箇所。縦長にハンドルを持つとキャリーバッグとして使える。持ち運びは楽にできる。
ケースを開けるには3箇所のロックを解除する。鍵は無い。ロック部分に小さな南京錠は付けられそうだがダイヤル式ロックなど有れば輸送時や保管時に助かるのだけど。整然と並んだ機体と周辺機器は行儀よく並んでいて、まず開けたら写真を撮っておかないとどうやって収納するのか忘れてしまうんじゃ無いかと?心配するほど。
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高級感のある防水ケースはしっかり機材をホールドしてくれそう。だが、機材の出し入れは慎重に行わないと雑に行うと緩衝材をを破損しそうだ。今回のバージョンアップでZenmuseX7が使えるようになったのは調査などで使われるこの機体ユーザーには嬉しい。24MPの高画質な写真を撮影できる。さらに4本のレンズを使って4Kで記録できる。ただし、SSDはこの機体には装備されないのでハイエンドな映像収録は出来ない。Inspire2との住み分けはしっかりと出来ているのはさすがDJI。
MATRICE210にはジンバルポートが2箇所ある。写真はNo.1にZenmuseZ30を装着したところ。その上にはFPVカメラも見える。少し写り込んでいるプロペラの下にジンバルポート2が見えるがそちらにも他の用途のカメラを装着できる。XT2やX7など同時に装着して撮影が可能。カメラは1台でも使えるのでポート1に装着して飛行できるが、重心が左に偏るハズ。飛行にも影響を与えそうだが実際に飛ばすと全く影響が無いようにまっすぐ飛び上がるのは驚きだ。なおVer.2はジンバルポートは常に2台のアダプターであり、1台に変更する事はできない。
機体の上にジンバルを装着する際は上部ジンバルアダプターを使用する。Ver.2は上方ジンバルアダプターは別売になった。それを装着する際にはGPSをオフセット装着するGPSキットも別売で用意されている。
今回のVer.2にアップデートされた事で地味に嬉しいのは機体の上下に装備されたビーコンユニットだ。DJI PILOTというアプリに付けられたボタンで発光させる事ができる。飛行させる時に機体を見失うようなシチュエーションで発光させると見失う事は少なくなるはずだ。
送信機はCENDENCE-S(GL900A)になり使用される電波はOcuSync2.0となった。先に発売されたPhantom4PROVer.2やMavic2シリーズにも採用された電波形式である。筆者の体験としてはLightBridge形式の機体より映像損失が少なく安定した映像を受信する事ができる信頼ある電波送信技術。
今後も他の機種にも広がっていくであろうこの技術だが、CENDENCE-S(GL900A)は現在MATRICE200シリーズ専用でありPhantom4PRO Ver.2やMavic2シリーズとはLINK出来ない(実証済)。またVer.2になって付属されるCrystalSkyは2000cd/m2の超高輝度タイプの物に変更されている。炎天下での撮影では高輝度タイプより超高輝度タイプが画面をしっかり確認できて安心感が増す。
重厚感があり質感も良く操作性は良い。LCDディスプレイが青っぽいスクリーンになっている。
送信機のポートは従来のCENDENCEと変わりはないが、CristalSkyのアダプター部分にUSB-Aポートが追加された。タブレットなどを使用する時に接続し予備のUSBを使って電源供給するということか?私はHMDを使用して飛行させる事が多いので、別のモニターに出力させる際にHDMIやSDI分配器を使うこともあり、その電源も繋いでも良いよということか?それともこれを使用するアイテムが新しく出るのか?多くなった事で助かる事もあるだろう。
バッテリーはいまのところTB55しか使用できない。バッテリーステーションは使えないという事が寂しい。この円筒形のハブにバッテリー4本の充電では1回の飛行に2本ずつ使用するこの機体には2セット分しか充電セットできない。一日中飛行させるような案件を受けた場合はバッテリーを数多く持っていくことになるが、充電器セットも何セットも必要になりそうだ。TB55が使えるバッテリーステーションの登場を熱望する。
実際に飛行させると驚くほど安定した飛行をする。生憎雨風が強くてテスト飛行は屋内で行なったが本当にまっすぐ飛び上がる。動画でも撮影したが、ホバリング状態ではプロペラが回っているかどうかの違いだけで動画でも写真でも変わらないのだ。上方にもあるセンサーのお陰で天井にわざと近ずけてもある程度の距離でそれ以上、上昇できなくなる。これは高架下のインフラ点検など本当に便利な機能だと思う。下方のビジョンセンサーをオンにして詳細着陸をオンにすると着陸時に一定の高さで一旦ホバリングになる。そこから着陸が自動で行われる。まるでMavic2シリーズのディフォルト状態だ。
Zenmuse Z30
従来から変更はないがせっかくなのでZenmuseZ30も紹介しよう。
光学30倍デジタル6倍の合わせて180倍ズームが出来るカメラである。モニターをタップするたびにズームインするのだが、倍率は設定する事ができる。スムーズにズームさせるにはコツがいりそう。一般のテレビカメラの様にスムーズに寄り引きできそうにない。
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Z30は高倍率ズーム機ではあるものの、解像度はハイビジョンである。なので撮影時にズームで寄りを撮影して調査や点検にタイムリーな映像を見ながら使う物に適している。またX7は高画質なカメラであるが、高倍率な焦点距離という訳ではない。調査などで使うには一旦ざっと撮影しておいて、後から拡大して解析など行うのに適していると思う。同時に装着できるMatrice210Ver.2は緊急で調査するにはZ30で後から解析する映像にX7と使い分けられるので今まで以上に活躍する機体となると思う。
他にも様々な機能が装備されているが、DRONE.jpで第一報として紹介された機能は省略し、筆者が感じたことを思うままにレポートさせていただいた。