Japan Drone 2026ではその概念模型をブースの中心に据えた。概念模型は機体中央に荷室を置き、機体後部にエンジン、前部にバッテリーや整流器などを配置し、機体上部に燃料タンクが備えられるという構造だ。
現在各社で型式認証の取得を目指している空飛ぶクルマを、IHIでは「第1世代」と捉えている。第1世代の特徴は、燃料にバッテリーを使用していること。ただ、その重さは1トン近くになると見込まれており、持続時間もそれほど長くないため、航続距離を伸ばすことは難しいと考えられている。担当者は「第2世代」の鍵を握るのがハイブリッド化だと説明する。
第1世代の課題を解決するため、IHIではガスタービンエンジンを搭載してハイブリッド化を提案します。これによりバッテリーの重量を半分以下に減らせると見立てています。エンジンと燃料を機体に搭載しても200kg程度で済むので機体の大幅な軽量化と航続距離の延長が可能になります。
第2世代の機体は航続距離1000kmを目指している。大阪・関西万博での実証を経て空飛ぶクルマの実用化にある程度メドがついた今、関心は長距離・長時間飛行可能な機体に移りつつある。実際、ブースを訪れる自治体などからはIHIの掲げる第2世代の空飛ぶクルマの考えに共感する動きもあったそうだ。IHIとしても、将来の実装時には自治体などとの連携が重要と考えている。

課題としては機体内部のレイアウトだ。バッテリーは機体の各部に敷き詰めて配置できるため、デッドスペースを有効活用できるが、ガスタービンユニットの場合、まとまったスペースが必要になる。荷室を圧迫しないように、機体メーカーとの綿密な調整が必要になる。
国土交通省や経済産業省、空飛ぶクルマの事業者らによって構成される空の移動革命に向けた官民協議会が2026年3月に公表した「空の移動革命に向けたロードマップ」では、2020年代後半の目標として「ガスタービンハイブリッド推進システムの開発」を掲げた。IHIの取り組みはまさに合致しており、今後も開発の伸展を注視する必要がある。
