Hyundai Motor Companyは、Boston Dynamicsが開発した人型ロボット「Atlas」を、FIFAワールドカップ2026のラウンド16の試合で実運用したと発表した。大会の公式ロボティクスパートナーとして、ライブ試合環境にロボティクスを導入し、ハーフタイム演出でAtlasを登場させた。
Atlasはハーフタイムに選手入場口から登場し、ハリー・ケイン選手、アーリング・ハーランド選手、マテウス・クーニャ選手、ソン・フンミン選手らのゴールセレブレーションから着想を得た動きを披露した。パフォーマンス後には、公式試合球を主審へ手渡すセレモニーも行い、後半戦のキックオフにつなげたという。
今回の動作には、モーション・リターゲティング、強化学習、全身制御技術が使われた。モーション・リターゲティングは人間の動作やジェスチャーをAtlasの構造に合わせて変換する技術で、強化学習では実運用前に数千回のシミュレーションを行い、動作を最適化した。全身制御技術により、複数の関節や全身の動きを統合的に制御し、バランスを伴う動作を実行したとしている。
この取り組みは、Hyundai Motor Companyのグローバルキャンペーン「Next Starts Now」の一環として実施された。同社は、Atlasがサッカーを学ぶ過程を描いたコンテンツシリーズ「School of Football」と連動させ、映像内で描いた学習プロセスを実際の試合環境でのパフォーマンスにつなげた。
また、Boston Dynamicsのロボティクス・ビヘイビア部門ディレクターであるアルベルト・ロドリゲス氏は、試合で披露した動きをAtlasに学習させた手法は、実社会の産業用途に向けてロボットを訓練する際のアプローチと本質的に同じものだと説明している。
Hyundai Motor Companyは、BBC Story Works Commercial Productionsと共同制作したドキュメンタリー形式の映像作品「The Training Ground」も公開する。同作では、AtlasがFIFAワールドカップの舞台に向けて行った技術的な準備やトレーニング過程を紹介する。映像は3分30秒版と30秒版の2種類で、7月7日から同社の公式ソーシャルメディアチャンネルで順次公開予定としている。