ヤマハ発動機はもともと1990年代から産業用無人ヘリコプターを開発し、農薬散布の現場などで活用されてきた歴史をもつドローン開発メーカーでもある。ブースでは、産業用無人ヘリコプターを活用した資材運搬の実証実験や農薬散布用ドローン「YMR」の展示があるが、やはり注目はドローン用シリーズハイブリッドコアコンセプト「SHEV」だろう。
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SHEVは産業用無人ヘリコプター「FAZER R」の400cc/4ストロークガソリンエンジンを搭載した発電ユニット。供給電圧は300Vで、連続飛行時間約4時間、ペイロード(燃料+積載物)は最大約25kgとなる予定。物流や監視、点検分野などでの利用を想定しているそうで、まずはヤマハで機体を開発するのではなく、SHEVをドローン開発メーカー等に販売していくことを想定している。
エンジンによる発電ユニットはエアロジーラボのブースでも展示がありかぶっているのかと思いきや、ヤマハが想定しているのは「六畳一間(360mm×270mm)ほどのサイズ」のドローン。今まで電動ドローンでは担えなかった重いものを運搬することや長時間フライトすることを想定している。
ヤマハはもちろん日本を代表するエンジンメーカーでもあり、かつてはF1にもエンジンを供給した経験や現状でもMotoGP(オートバイの世界選手権)などの世界最高峰レースに参加している。技術力はもちろんのこと、他社にはない圧倒的な耐久性と信頼性が強みとなりそうだ。
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現状はユニットを先行開発中。来年くらいのタイミングでこのユニットを使った飛行実験を社内的に行う予定(実証試験は2021年に実施済)とのこと。2023〜2024年ごろにユニットを市場にリリースしたいとしている。
シリーズハイブリッドシステムの試作版を大型マルチコプターに搭載飛行した実証試験のようす