株式会社ispaceと、ロボット・宇宙技術開発ベンチャーの株式会社ダイモンは、月着陸船搭載に向けたペイロード輸送ボックス(以下:輸送ボックス)の開発検討に関する基本合意書を締結したことを発表した。
月面ペイロードの開発においては、月面へペイロードを放出するためのデプロイメントシステムの開発難易度の高さが、これまで非宇宙産業による月面開発参入の障壁となってきた。
ispaceは、これまでの月ミッションを通じて月面への航行および着陸に関する技術と知見を蓄積してきた。一方、ダイモンは、自社開発の月面探査車「YAOKI」とその輸送・放出に関わるシステムの開発実績を有している。
本合意に基づき、ispaceとダイモンは将来的に多様な顧客ニーズに対応した小型ペイロードを安全に月面まで輸送可能な輸送ボックスの実現と月面への放出を目的として、ダイモンが開発するデプロイメントシステムをispaceが開発する月着陸船(ランダー)により月面まで輸送することで、幅広い顧客層に向けた月面輸送サービスの提供に関する検討を共同で進めていく。
月着陸船によるペイロード輸送には、ロケットでの打ち上げ時の振動や、分離後に宇宙空間を航行する際の厳しい宇宙環境への対応が求められる。輸送ボックスを用いることで、小型ペイロードを簡易にランダーに搭載し、かつ月面へ放出することが可能となるほか、顧客の要望に応じた温度管理や放射線から保護といった付加価値の提供が期待される。
本協業では、ダイモンはispaceが開発するランダーにペイロードを搭載するための輸送ボックスを最適化開発し、ispaceはそれらペイロードを安全に月へ輸送するため、ランダーとのインターフェースの適合性検討を実施する。
株式会社ispace 代表取締役CEO&Founder 袴田武史氏のコメント
このたび、月面までのペイロード顧客としてのフライト実績を有するダイモンと、輸送ボックス開発およびデプロイメントシステムの検討に関する基本合意書を締結出来たことを嬉しく思います。ペイロードの月面輸送事業を行うispaceは、日本の非宇宙企業やペイロード開発にとってのハードルともいえる、月面でのデプロイメントシステムの提供により、将来的に新規参入を増やすことに貢献ができると確信しています。より幅広いプレイヤーと共にシスルナ経済圏の構築を目指していけることを楽しみにしています。
株式会社ダイモン 代表取締役 中島紳一氏のコメント
このたび、月面輸送サービスの実現に向けて技術と実績を積み重ねてこられたispaceと、輸送ボックスおよびデプロイメントシステムに関する基本合意に至ったことを大変光栄に思います。ダイモンは、超小型・軽量な月面探査車YAOKIの開発を通じて、月の過酷環境下で確実にミッションを遂行するには、輸送から放出・展開までを担う機構の信頼性が極めて重要であると確信し、輸送ボックスの開発に注力してまいりました。
今回の協業により、輸送ボックスとデプロイメントシステムの最適化を進め、非宇宙産業を含む世界中のペイロード開発者が月面実証を容易に挑戦できる環境づくりに貢献したいと考えています。尚、今回の基本合意に関連する基礎開発(ペイロード輸送ボックスの汎用化)として、JAXA宇宙探査イノベーションハブ RFP13にダイモンが採択内定されました。