ウクライナで地雷探知ドローンの現地実証
2026年5月、PRODRONEは国連工業開発機関(UNIDO)のプロジェクトの一環として、ウクライナで地雷探知ドローンの現地実証に臨んだ。目的は、地中に埋まった地雷を人が踏まずに空から探す技術を、実際の運用環境の中で検証することだ。現在、プロジェクトは進行中であり、実証実験詳細は守秘義務の問題から多くは語られなかった。
到着した日は、激しい空爆の日だった

日常と破壊が隣り合わせにある現代の戦争の不可思議さと、その中で「仕事をする」という何とも言えない現実感は生々しく伝わってきた。

羽田からフランクフルト、ワルシャワを経て、さらに夜行列車でキーウへ向かう長い道のりは、それだけでもこの国の現在地を物語っていた。
地雷探知ドローンの現地実証の現地から持ち帰った課題リストを、次の打席につなぐ

現地で試したのは、金属探知センサーを搭載したドローンを地上約30センチの低空で飛ばし、地中15センチ程度の反応を捉える方法である。高度を上げれば感度が落ち、下げすぎれば機体が接触する。
まさに「攻めの30センチ」を保ちながら飛ばす精密な運用が求められた。加えて、強烈なGPSジャミングが発生し、位置情報が乱されるという課題も浮き彫りになった。机上では見えない、現場でしか得られない知見だった。
一方で、今回の出張が強く印象づけたのは技術面だけではない。キーウ到着の朝、駅を出ると黒煙が見え、空襲の痕跡が残っていた。それでも通勤する人がいて、パン屋が開き、犬の散歩をする人がいる。瓦礫の片づけが行われている通りと1本道を隔て、歩行者天国があり、カフェは満席になる。戦争と日常は分断されているのではなく、地続きで存在していた。
報告会開催

6月8日に名古屋市のスタートアップ(新興企業)支援拠点STATION Aiで、PRODRONEが2026年5月24日~28日にかけてウクライナ・キーウ郊外の地雷源にて実施した地雷探知ドローンの実証実験の報告会が開催された。同社顧問の日野宏貴氏、開発部の白山太一氏、ファシリテーターの森内倫子氏が、それぞれの視点から現地での経験を語った。
そこで共有されたのは、「正しく恐れる」ことの大切さと、それでも現場へ行かなければ見えない現実があるという事実である。
地雷除去は復興の前提であり、この技術が実用化されれば、ウクライナだけでなく世界の地雷被害地域への貢献にもつながる。今回の実証は、その第一歩として大きな意味を持つ出張だったと語った。
「行ける誰か」が、行った。「現場でできる誰か」が、やった。その姿が、技術と国境を越えて伝わったこと自体に意味がある。日本企業が世界の国々に寄与する素晴らしい試みであると言える。