趣旨
MASCは、過去3年にわたり日本各地で数十回の空飛ぶクルマ実証飛行を重ねてきた。そうした実績を元に、大阪・関西万博後を見据え、大阪から北九州へと広がる瀬戸内エリアにおける空飛ぶクルマの事業化を目指すプロジェクト「SCAI28(スカイ28)」を開始する。
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瀬戸内エリアは、大小さまざまな島々が点在し美しい海と島々の風景に加え、歴史的な名所も多数存在し大きな観光資源を持っている。また、同エリアは温暖な気候と豊かな海の恵みを受けて、柑橘類(みかんなど)や海産物(牡蠣など)を産出し、瀬戸内海沿岸には大規模な工業地帯や産業都市も発展している。
こうした豊かな資源・産業に恵まれた地域である一方、人口減少や高齢化問題に加え、瀬戸内海沿岸部と内陸部や離島では交通アクセスの格差が拡大しているという。
沿岸部では、新幹線や高速道路、フェリー、本州と四国を結ぶ幹線橋(瀬戸大橋、しまなみ海道など)などの交通インフラが整備されており、移動が非常に便利になる一方、内陸部アクセス網および離島交通は地域住民の生活に直結する重要なインフラでありながら、十分な整備が進んでいない。こうしたアクセス格差を改善することは、同地域の人口減少や高齢化問題解決だけでなく、地域産業振興に欠かせないという。
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MASCでは新たな空の交通手段として注目を受ける AAM (Advanced Air Mobility:空飛ぶクルマ事業) を活用し、こうした課題解決に取り組むプロジェクト「SCAI28」を開始するとしている。
目標
SCAI28では、2028年頃を目標に AAMインフラ整備を狙って、以下のような課題解決を目指す。
- 内陸部や離島間アクセスの改善(既存交通インフラとの相乗効果)
- AAMを活用した訪問医療などの住民サービス改善
- 瀬戸内の観光資源への交通アクセス改善
- AAM付帯産業および人材の育成
提携発表
MASCはプロジェクトSCAI28の実施にあたり、SAI(サンワエアロスペースインダストリー社)および autoflight社(ドイツ中国合弁の空飛ぶクルマメーカー)と提携。
SAIは、同社が所有するautoflight社最新機体および運行チームにより瀬戸内エリアにおける標記課題解決を支援する。autoflight社は将来のAAM事業化を目指し、プロジェクトSCAI28をOEM(製造者)の立場から支援する。