国土交通省が推進するi-ConstructionやBIM/CIMにおいては、測量段階での3次元計測を推進する動きが加速しており、数値地形図データ作成マニュアルが公開されるなど、規程・要領等においても、新たな項目が順次追加されている。また、昨今多発している自然災害の現場復旧においても、安全性や効率性の高い3次元測量が一般化してきており、測量から設計フェーズにおける3次元化のさらなる拡大が予想されるという。
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このような状況から、今回の最新版では、3D点群処理システム「TREND-POINT」との連携によるトレース作業の効率化や、点群取得の際のドローン飛行時間を短縮する機能などを追加し、3次元測量業務のさらなる生産性向上を実現したとしている。
TREND-ONE/Mercury-ONE Ver.7の概要
- 3D点群処理システム「TREND-POINT」とのトレース連携機能強化
- 次元計測支援機能強化(UAV/TLS計画成果)
- 作業規程の準則対応(R5年度対応)
- その他機能のブラッシュアップ
新機能
3D点群処理システム「TREND-POINT」とのトレース連携機能強化
TREND-POINTへの描画同期
従来までTREND-POINT側に同期できる要素は、点と線のみの対応だが、今回その他の要素(円弧、記号、ハッチング、塗潰しなど)や、要素の移動や削除などの編集についても、同期できるようになりった。
TREND-POINTからの連携
TREND-POINT側からの座標やトレース線の連携において、従来までTREND-ONE/Mercury-ONE上で連携の制御をする必要がありましたが、今回TREND-POINT内のコマンドで連携の制御が可能になった。これにより作業時間の約30%短縮(自社検証値)を実現した。
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なお上記機能は、同日リリースとなる「TREND-POINT Ver.11」との連携機能となる。
3次元計測支援機能強化(UAV/TLS計画成果)
斜め往復撮影への対応
鉛直直下の撮影では、高さ方向の歪みが大きくなることから、カメラを進行方向に傾けての往復撮影に対応。これにより歪み誤差が軽減され、成果品質が向上する。
DJIPilot KML出力対応
飛行計画をDJIPilotアプリ内のマッピングモードで取り込めるKML出力機能に対応これにより撮影時にドローンが静止することなく移動しながら撮影できるため、バッテリーの消費量を50%以上低減すると共に、長距離・長時間飛行とバッテリー交換回数の低減で、作業時間も50%程度の削減(自社検証値)が見込めるという。
その他の機能強化
飛行コースの設定において、手動追加コースの任意削除や、グリッドコースの自動作成、コース開始位置の編集などに対応。
作業規程の準則対応(R5年度対応)
- 「車載写真レーザ測量システムを用いた三次元点群測量マニュアル」「UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル」「航空レーザ測深機を用いた公共測量マニュアル」の編入
- UAVレーザ測量手法による修正測量の導入
- マニュアルの編入、修正測量に新たに手法を導入するに当たり、編・章の構成見直しと条文の調整
- 「電子基準点のみを既知点とする3級基準点測量」の点検測量率の明文化
- 応用測量の点検測量に関する備考追加
- 測量機器検定基準(付録1、3)の見直し
- 標準様式(付録4)の見直し
- 永久標識の規格及び埋設方法(付録5)に埋設方法追加
- 計算式集(付録6)において計算式の修正
- 公共測量標準図式(付録7)の見直し
その他機能のブラッシュアップ
地図XML利用を効率化する任意座標変換機能
法務省にて公開される地図XMLの座標系は、その大半が任意座標系となっており、座標変換に非常に手間がかかっていたため、現場プロット上のCAD操作で公共座標系に変換できるコマンドを追加。
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全国のユーザーからの要望対応
CADの各種コマンドや河川定期縦横断などの各種プログラムについて、リクエストの多かった要望について改良した。