ヴイストン株式会社は、同社製の研究開発用台車ロボットへの搭載に適したROS対応のロボットアーム「AMIR 740」を発売する。可搬重量2kg、最大90mmの幅まで開くグリッパーを活用。運搬や配送だけでなく、教材、展示、清掃や配膳、測量や調査といった様々な用途におけるロボット研究開発のベース機材として運用できる。
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価格は税込770,000円。同社の公式Webショップから注文を受け付ける。
AMIR 740概要
台車ロボットの搭載に対応、単体使用も可能
AMIR 740は、同社製の研究開発用台車ロボットの天板に搭載できるよう設計されている。拡張機器用電源基板「VS-WRC054」と合わせることで、ロボットに内蔵されたバッテリーからAMIR 740に給電することが可能。自律移動や自動運搬などの用途において大きな自由度が得られるとしている。
また、AMIR 740を単体のロボットアームとして運用することも可能。専用の直流安定化電源と非常停止スイッチが付属されるため、AC100Vの電源から給電し、動作できる。
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アームを搭載し、可能性を拡大
同社製のロボットに搭載することで、ロボットアームという「手先」が付加される。台車ロボットは、LiDAR(LRF)やデプスカメラ、それらを制御する「ROS PCオプション」など、豊富な機材を同時に搭載できる。各種センサーによる計測とPCによる処理、ROSを経由した制御などを統合して活用できるという。
自律型ピッキングロボットシステムの構築や、搬送用台車とロボットアームを統合的に運用するモデルなど、高度で複雑な開発プロジェクトを実用化に近い形で研究、実装できるとしている。
90mmまで開くグリッパー、アームの可搬重量2kg、最大リーチ740mmを実現
台車ロボットの移動性能とロボットアームの姿勢制御を活用し、様々な物体を把持することが可能。アルミニウム製の頑丈な構造とDCモーターの駆動力を活用することにより、可搬重量2kgを実現。最大リーチは、軸1の回転中心から手先の中心まで740mmを実現し、最大リーチ時でも2kgの可搬重量を維持する。
Arduino IDEでプログラム可能
ロボット用制御ボード「VS-WRC058」を搭載し、Arduino IDEを用いて制御プログラムを作成できる。サンプルコードはArduinoライブラリーの形で製品に付属し提供されるため、ユーザー自身の手でファームウェアのカスタマイズを可能としている。
※VS-WRC058をArduino IDEを用いてプログラミングする場合、ArduinoIDE 1.8.13以上が動作する環境が必要。
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ROSによる制御に対応
同社製のROS PCオプションなど、ROSが動作するデバイスとWi-FiまたはUSBケーブルで接続することで、ROSから目標位置と移動速度指令値を与えられるほか、各軸のエンコーダー値を取得できる。
3Dシミュレーターである「Gazebo」用のモデルを標準で付属し、モーションプランニングフレームワークである「MoveIt」にも対応。制御が複雑になりがちな多関節ロボットアームでありながら、GUI上で容易に操作、シミュレーションができる。シミュレーター上で検証を繰り返してからプログラムを実機へと反映させることで、合理的で迅速な開発を可能としている。
※ROSを動作させるデバイスは別途必要。
AMIR 740本体仕様
- 本体重量:約7.1kg
- 可搬重量:2kg
- 本体材質:アルミニウム
- 自由度:6軸(5軸+1グリッパー)
- 入力電源:24V 10A
- 把持範囲:90mm
- モーター:DCモーター×6
- 動作速度:最大60deg/s
- 航続距離:12km(最高速度時)
- 動作角度等:J1(根元ヨー軸):±170度
J2(根元ピッチ軸):-135度~0度
J3(肘ピッチ軸):0度~+160度
J4(手先ピッチ軸):-75度~+120度
J5(手先ロール軸):±158度
グリッパー:90mm(開) - エンコーダー:インクリメンタルエンコーダー
- 制御基板:VS-WRC058
- インターフェース:USBシリアル、Wi-Fi(IEEE802.11b/11g/11n)
- SDK:VS-WRC058用Arduinoライブラリー、ROSパッケージ
- 付属品:直流安定化電源、固定用クランプ×2、非常停止スイッチ