2025年8月8日~12日に北京で開催されたWorld Robot Conference 2025において、LiDAR(ライダー)業界大手のHesai Technology(ヘサイ テクノロジー)が、ロボット分野向けの最新製品を発表した。会場では、ミニサイズ超半球型3D LiDAR「JTシリーズ」と、新世代全固体型LiDAR「FTX」を紹介。パートナー企業VbotやRoboteraとともに、ロボットへの応用事例も紹介した。
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世界最広視野角を実現する「JTシリーズ」
「JTシリーズ」は、360°×189°という超半球視野角を実現したミニサイズ3D LiDAR。第4世代自社開発チップを搭載し、最大256チャンネル対応でブラインドスポットのない3D認識を可能にする。
コンパクト設計によりロボットへの組み込みが容易で、密着物体の検出も高精度。サービスロボット、配送ロボット、清掃ロボットなど幅広い分野での利用が見込まれる。発売から5カ月未満で累計出荷10万台を突破するなど、国内外で高い評価を得ている。
小型化と高性能を両立した「FTX」
もう一つの新製品「FTX」は、30m先の低反射物体(反射率10%)を正確に検出できる全固体型LiDAR。解像度は従来比2.5倍、毎秒49.2万点の点群データ取得が可能だ。
重量を66%削減し、外部露出部分も40%減らすことでデザイン性と設置自由度が向上。超広視野角と小型筐体により、さまざまなスマートロボットに適用可能となっている。
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会場を沸かせた応用事例
展示ブースでは、JTシリーズを搭載したVbotのスマート伴走ロボットや、Roboteraのヒューマノイドサービスロボット「Q5」が来場者の注目を集めた。
これらのロボットは、LiDARによる正確な位置特定・障害物回避機能を活かし、混雑した会場でもスムーズな移動を実現。高精度な3D環境認識は、ロボットの自律走行やサービス提供における重要な基盤技術となっている。
市場を牽引するHesaiの戦略
Hesaiは、自動車分野で培った車載規格対応の製造技術や量産体制をロボット市場にも展開。2025年上半期には、中国のロボット向け3D LiDAR出荷量で首位を獲得している。
同社は「LiDARはロボットと物理世界をつなぐ架け橋」と位置付け、今後も車載規格レベルの品質でロボットの感知能力を進化させ、生活の効率化と快適性向上に貢献していくとしている。