離島向け物流は船便への依存度が高く、天候次第で欠航や遅延が起きやすい。急を要する医薬品などは、輸送手段の制約がそのまま生活リスクになり得る。こうした課題に対し、瀬戸内海でドローンを使った定常的な「空路」を組み込む動きが出てきた。
東急不動産株式会社と株式会社ロボデックスは2026年3月17日、広島県内に水素ドローンポートを常設し、瀬戸内海の本土側と離島を結ぶ「長距離飛行ドローン空路」を構築すると発表した。
水素ドローンポートは、東急不動産が開発する「LOGI’Q広島」の敷地内に設置し、主に大崎上島町との往来を想定する。両社によると、半径35km範囲内であれば往復飛行が可能で、大崎上島町周辺に加えて瀬戸内海の離島を広くカバーする体制を目指すという。
同プロジェクトでは、物流拠点から離島の配送先までをドローンで直接結ぶことで、従来の陸上・海上輸送を組み合わせた多段階の配送プロセスを簡素化し、配送リードタイム短縮とオペレーションコスト最適化を図るとしている。水素を燃料とするドローンはバッテリー式と比べて飛行時間が長く、航続距離に優れるとし、ドローンポートに併設する水素供給設備により燃料補給を迅速化し、連続運航や便数調整を可能にする構えだ。
期待される効果として両社は、船便の欠航など天候の影響を受けにくい輸送手段の確保による機動性向上やコスト抑制、生活必需品や医薬品・処方薬の当日配送の実現、若年層の定住選択肢の拡大や新規雇用創出などを挙げる。また、離島以外にも、有事の際に山間部や四国地方などへ輸送範囲を広げられる可能性があるとして、災害対応の備えとしても位置づけた。