セイノーホールディングス株式会社と株式会社エアロネクスト、経済産業省北海道経済産業局、イノベーションチャレンジ実行委員会は、ドローンを活用した牛の乳房炎の検体(乳汁)のリレー配送の実証実験を、10月8日に北海道上士幌町で実施し、成功したことを発表した。
同実証は株式会社ノベルズの協力の下で行なわれ、牛の乳汁の配送実証は日本初となる。
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同4団体による実証実験は、以前の記事「上士幌町で、日本初のドローン宅配・牛の検体配送の実証実験を実施」でも報じたが、当記事は牛の検体配送の実証実験の結果を含めた続報。
牛個体の検査業務を実施するバイオ企業各社では、僻地である酪農地帯への検体の配送が課題となっている。人手不足が課題となっている現在の物流工程では、60kmの距離に約2日を要するなど時間的コストがかかることと、品質が劣化する可能性がある。
これを背景に、新たな配送の代替手段として、ドローン活用が浮上し、同実証に至った。
ドローンでの配送で品質維持が実証できれば、ドローン活用の有効性を見出すことができ、将来的には現状より短時間での運搬が可能になるとしている。
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今回は、乳汁配送に関して、温度変化・振動影響等の観点で評価を行い、ドローン配送によって安全性と品質が損なわれないかを確認した。
実験の手順は以下の通り。
- 試験管に入れた牛検体(乳汁)48本を最新物流専用ドローンに搭載
- ノベルズ上士幌本社敷地内で20分間(約3km)の飛行を2回実施
- 検体をセイノーHDのトラックに積替え
- ノベルズ研究所帯広センターまで配送
- 翌日、研究所にて、検体の検査を実施
実証の結果、ドローン配送時の振動は、配送後の検査品質に影響しないレベルであり、実用に耐えうることが確認できたという。
また、配送後の検査品質も実用に耐えうるレベルであることが確認でき、配送等の課題の多い畜産業界全般におけるスマート物流の実装可能性を検証することができたとしている。
乳汁に限らず、血液や受精卵等の配送などへの新スマート物流の適用が期待されている。