image:FDNY
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ドローンの活躍の場が日増しに増えている。ニューヨーク市消防局(FDNY)は、ブロンクス区北部のクロントナ・パークにある6層建築の消火活動において、初めて今年3月消防用ドローンを利用した。
消防局が利用した85,000ドル(約930万円)のドローンは、重さ8ポンドで、ハイビジョンカメラと赤外線カメラが取り付けられている。ドローンはこれらの機能により、火事の担当となっている消防長に消火活動の操作状況をライブ映像で送ることが可能だ。
■第4警報火災のドローン映像
ドローンのカメラにより指揮本部にいる消防長は、消防隊員が屋根の上のどこで消火活動を行っているか把握でき、それに基づいて決断を下し、消火の手助けを行う。そのため消防隊員の安全を確保することが可能となる。映像は指揮官に直接送られ、ニューヨーク市消防局のオペレーションセンターを通じて消防局上部の意思決定者にも共有される。ニューヨーク市消防局オペレーションセンターの指揮官であるTimothy Herlocker氏は、次のようにコメントしている。
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Herlocker氏:ブロンクス区での第4警報火災のサポートにおいて、初めてドローンを活用しました。屋根からのハイビジョン映像のおかげで地上にいる指揮官は、屋根を開けて水をかけ、消火活動を行っている消防隊員を見ることができました。
また、今回の第4警報火災において指揮官を務めた消防副委員長のDan Donoghue氏は次のようにコメントしている。
Donoghue氏:今回の火事はドローンによって助けられました。屋根が崩れ落ち始めたときラジオからの情報は豊富にあったが、それは声からの情報のみでした。だからドローンのおかげで、画質の良い目からの映像を通して、消防隊員の安全を確保しつつ消火を行えるような決定をするのに非常に役立ちました。
ニューヨーク市消防局で利用したドローンには、ドローンの上部にまで電力を運ぶ小型ケーブルがついているため、制限なく飛行が可能だ。ドローンは目標物の空中映像を送り続けるために、できるだけ長い間高く飛び続けられるようになっているという。ラジオの絶え間ない信号とともに、遮るもののない範囲で、管理やデータ、電力の全てが行き来している。
ドローンはニューヨーク市消防局のCommand Tactical Unitで特別に訓練された消防隊員によって操作されているという。消防局は近年、3体のドローンを必要に応じて配備している。消防委員長のDaniel A.Nigro氏は次のようにコメントしている。
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A.Nigro氏:この最新テクノロジーは、消火活動にとって明るい未来だろう。ドローンのカメラによって消防長は今まで見ることのなかった景色を見ることができる。消防隊員や守るべき人々の安全を確保するのに欠かせない道具です。
ニューヨーク市消防局はドローンの操作を安全に行い、ニューヨーク市の飛行規則や方針に従うためにアメリカ連邦航空局(FAA)と協力している。消防局オペレーションセンターは、連邦航空局と事前に連絡をとって夜間飛行の許可を申請し、クラスB(連邦航空局の飛行空間基準で最も厳しい領空)の許可を得るなどしている。許可にはおよそ10分かかり、ドローン操作による消火活動が必要な時に許可をもらっていては遅すぎるからだ。