商用ドローンが世界を魅了している。ニッチ産業から始まり、すさまじいスピードで広まっているのだ。しかし今日のテクノロジーにおける「美」は、大量のデータを集めるだけには留まらない。今、空を飛ぶドローン自体が「美」そのものなのである。
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この新しい照明は、重力に左右されず、作家や監督、ステージ上の俳優にとって、新たな終わりなき可能性である。そうエンターテイメントとこのドローンの相性は抜群なのだ。エンターテインメントは一大事業だ。2017年、アメリカ市場におけるエンターテインメントだけでも6550億ドルを超えるという見通しだ。最近だと南米最大のフェス”ROCK IN RIO 2017″のラインナップにドローンショーも加えられた。もうドローンショーは身近になっているのである同じく日本でもドローンを使用したエンターテイメントは徐々に増えつつある。
アートへのドローン活用はバリエーションが豊富で、この技術はクリエイティビティを目指すというよりも、利用目的は限定されるようだ。室内での飛行や、何百ものドローンを並べて飛行させることはナビゲーションや正確さ、タイミングを考えると非常に難しい。だが今日では、安全にドローンを室内で飛ばし、予めプログラムされた飛行経路を使用して大型空中ディスプレイを作成し、群知能(SI)技術を通してドローンを操作することが可能になった。チャンスは無限である。これから紹介する世界中の「ドローンショー」から、今後の可能性を知ることができるだろう。今回提携先でもあるDRONEII.comからドローンをエンターテイメントに使用する企業、団体のマップが発表されたので紹介したいと思う。
どのようなドローンショーが催されているのか?今後どのような可能性があるのだろうか?
「ドローンショー」は2種類に分けられる。室内と室外の操作だ。ご想像の通り、この区別は規定されたものではなく、操作方法によるものだ。安定感があり正確な、全地球測位システム(GNSS)が室内では使用できないため、動作制御システムや室内測位システム(IPS)など、他のナビゲーションシステムを使う必要がある。これらを使えば、取り外しや再取り付け、さらにはショーの準備において役立つだろう。特にイギリスのロックバンドMuseのツアーのように、毎週イベント会場を変更する場合にはより便利だ。
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ほとんどの室内外ドローンの操作には、まだ人による操縦が必要である(CTRLme、Aerotain)。ドローンの数が増すにつれ、人による操縦は難しくなる。そこで巨大なディスプレイの場合などでは、完全に自動化され、一体一体予めプログラムされたドローンの方が、信頼性も安全性も高い。例えばIntelの「ドローン500」のショーや、Skymagicによる富士山をバックにしたショー、Collmot Roboticsによる何体ものドローンの光ショー、Verity studiosのParamourショーが良い例である。
室内外どちらの操作においても、安全規定は非常に高く、観客の安全を保証している。安全システムはドローン自体に取り付けられる(AerotainやOli Metcalfeをはじめ多くの飛行管制システムが使用しているヘリウム風船のカバーなど)。また外側にジオフェンスや格子を取り付け、パフォーマンスの安全性を確保することも可能だ。
なぜドローンショーは多くの観客に馴染みがないのか?
ドローンが群衆の中を飛ぶことに加え、群知能(SI)による操作や、夜間の操作における規制が厳しく、多くの国で違法となっている。さらに、ドローンのプログラミングや再プログラミングにかかる高コストにより、広範な導入に歯止めがかかっている。それゆえドローンショーはまだ主流のイベントではなく、まだまだ珍しい存在ではあるが、これから徐々にメインとなって行くだろうと予想される。
環境を汚染することもなく音がせず、何度もいつまででも続く花火のような演出は、ドローンショーの大きなメリットの一つである。大規模で素晴らしいドローンショーであったレディー・ガガのスーパーボウルのハーフタイムショーでは、NRGスタジアムの前に立つレディー・ガガをカラフルな渦を巻いた光の背景で照らし出した。日本からは、Rhizomatiks Researchやドローン演出プラットフォームSkymagicがラインナップされている。
ドローンショーを行うには、大規模に、そして繰り返し行う必要があるだろう。Walt Disney Worldはすでに、日々の花火ショーでドローンを利用することを含む特許を申請している。群知能(SI)がより発達し、ドローン一体のプログラムにかかる時間が短縮されれば、コストはすぐに下がるだろう。この発明から得た知識は、全産業が室内ナビゲーションシステムや群知能(SI)をより大規模に活用するのに役立つことだろう。
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