アメリカ内務省のMark Bathrick氏は商業用ドローンビジネスで成功するためには何が必要か熟知している。彼は内務省でUAV技術の使用と統合をリードする部門を運営している。彼のプロジェクトでは5億エーカー以上を管理し、ドローンを含む1200機以上の航空機を使用している。ドローンを使えば、雪崩制御、不法投棄の監視、測量など米国の土地を管理するための25種類以上のアプリケーションの実行が可能。10月にラスベガスで開催されたCommercial UAV Expoで興味深いカンファレンスがあったので紹介しておこう。
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Mark Bathrick氏はスタートアップのアドバイザーでもあり、数多くの新しいドローンビジネスを評価する立場にもある。ラスベガスで開催されたCommercial UAV Expoでも基調講演者として、彼は航空機、プライバシー、セキュリティ、文化という商用ドローン業界の成功に欠かせない4つのポイントをシェアした。
Bathrick氏:パート107は商業用UAV事業に基盤を提供しました。米国に登録されている無人航空機の数は、米国に登録されている有人航空機の数を90%上回っています。
また、商用ドローン業界は業界としてはアーリーステージにもかかわらず、競争はすでに加速していると言う。
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Bathrick氏:すでに500社以上の無人機メーカーが存在し、関連する技術を持つ会社はさらに数百社存在しています。
それでは、Bathrick氏が言う商用ドローン業界の成功に欠かせない4つのポイントを見ていこう。
■航空機
ドローンテクノロジー企業は、自らの技術やビジネス上の問題については理解しているかもしれないが、彼らは航空機ビジネスは地上のビジネスとは異なることを理解しなければならない。Bathrick氏は航空機の失敗は大変なコストがかかると指摘する。ドローンの空域は人やインフラに近く、非常に狭いため事故が起きやすい。したがって企業は安全と規制環境を管理するためのシステムとプロセスを用意する必要がある。
■プライバシー
Bathrick氏は、ドローンのプライバシー問題は有人航空機のそれよりも非常に重要であると述べている。なぜなら、人々はドローンに不安を持っているからだ。商用ドローンビジネスは「積極的なコミュニケーションと計画」を含むポリシーを策定する必要があるという。具体的には、積極的なコミュニケーション、公共の透明性、思慮深いデータの収集、責任あるデータの保存と共有、データセキュリティの継続的な改善、プライバシーに関する法律などを考える必要がある。Bathrick氏は、ドローン企業は集めたデータ全てを管理しておく必要があると指摘している。
■セキュリティ
ドローンはセキュリティ上の脆弱性がある。企業もそれを認識し、無人運転が不適切に使用されないように、適切な管理ルールを用意する必要がある。ドローンのその他のセキュリティ上の脆弱性には次のものがある。ナビゲーション(GPS妨害、ブロック、スプーフィング)、制御(電磁干渉、ハッキング)、ペイロード(ライブストリームインターセプト)、データ(ストレージ、情報処理、配信)。
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■企業文化
Bathrick氏は、各企業の文化が、商業ドローン業界のカギを握るものだという。
Bathrick氏:UAVの企業文化には特別な注意が必要です。もしあなたの会社の文化が航空ビジネスを担うことに対する責任とそのための準備が不足している場合、あなたの会社は準備が整っていないと言わざるをえません。
また、スペースの規制と技術の変化は驚くほど速いため、商業ドローンの企業はこうした変化に迅速に対応する必要がある。Bathrick氏は商業ドローン業界がどこに向かうのか注目しており、無限の可能性があると信じている。