消費者向けドローン市場において、ズーム機能にまつわる二つの大きな出来事があった。一つ目は、DJIが22mmから77mmの焦点距離と等しい7倍ズームを搭載した「Zenmuse Z3」を近々リリースすると発表したこと。二つ目は、それを上回るズーム機能を搭載したドローンが登場したということだ。
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レース及び空撮向けドローンを開発する中国のWalkeraは、10mmから1500mmの焦点距離に等しい16倍ズームを搭載する「Voyager 4」を発表した。果たしてこれは、競合と比べてどれくらいのズーム機能になるのだろうか。同社によると、DJI「Phantom 4」並みの質の画像を約800m以上離れたところからでも撮影できるという。Voyager 4のティザーがこちら。
DJIのZenmuse Z3と共に、このドローンの発表はドローンとプライバシーの問題を更に深刻化させたとも言える。今までは、ドローンに搭載されたワイドレンズが盗撮ではなく風景の撮影のためであると言い切れたが、今回ばかりは逃れるのが難しいだろう。とはいえ、大幅なズーム機能を持つドローンにはメリットもある。空撮を行う人にとって選択肢が広がることはもちろんのこと、監視にも大きく役立つだろう。特にVoyager 4は、法整備が必要となるだろう。
それはVoyager 4が、約1.6km以内であれば独自のWi-Fiネットワークを通して操作できるという点だ。また、ドローンとコントローラーは4G回線でも繋げることができるため、操作範囲が実質無限になるとも言える。つまり、理論上はロンドンにあるVoyager 4をニューヨークから操作できるということになる。視線の届かない範囲での飛行を制限するLine-Of-Sight関連の法律にはいくつも反することになるが、それでも見事な機能である。
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Walkeraは、まだVoyager 4の具体的なリリース日や価格を発表していない。しかし、2000ドル(約20万4千円)したVoyager 3を考慮すると、プロシューマー市場の価格設定になることが予想される。発表が楽しみだ。