皆さんは、JD.com(京東商城)をご存知だろうか?中国のAmazonとも言える企業である。CES2019でも一際目を引くような大きなブースで存在感を誇っていた。Wikipediaによると…
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京東商城(ジンドンしょうじょう、ピン音:Jīngdōng shāngchéng、あるいはJD.com)は、中国で360buyを経営していた劉強東が設立したWebサービス会社。中国北京市朝陽区に本社を置き、同社のECサイトである「JD.com」では、家電・PC・家具・衣類・食品・書籍などの商品をネット販売している。2014年にNASDAQに上場、2015年現在中国国内の通販サイトのシェア56.3%を占めている。
そのJD.comが、インドネシアで初の政府承認ドローンの飛行を実施した。このパイロット飛行が成功したことにより、インドネシアにおける将来の商用ドローン使用のための基礎が築かれた。JD.com社のプレスリリースよると…。
中国最大の小売業者であるJD.com社は、インドネシア初の政府承認ドローン飛行を実施したと発表した。これは東南アジアでのドローン配送のブレークスルーとなるだろう。このパイロット飛行の成功は、さらなる規制当局の承認が条件となるが、インドネシアおよび東南アジア地域における将来の商用ドローン活用への門戸を開いた。インドネシアの運輸省、民間航空局、航空航法局の代表がこのパイロット飛行に出席した。このニュースは世界経済フォーラムの年次総会で発表された。
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試験飛行は2019年1月8日にインドネシアの西ジャワで行われ、ドローンはParung PanjangのJagabita VillageからMIS Nurul Falah Leles小学校まで児童にバックパックと本を配達した。ドローンにより配達された物品はJD.com社から学校への多大な寄付の一部だった。JD社は長年、事業を行っている地域社会の人々に慈善活動として支援を行ってきた。同社は、中国であった地震のような自然災害時に即座にサポートを提供するため、その技術と全国規模の物流ネットワークを活用している。
JD.com社とそのJVパートナーである電子商取引会社JD.IDは、インドネシアに高クオリティの電子商取引をもたらした先駆けだった。2016年にeコマース事業を開始したJD.ID社は、100万SKUを売り上げ、全国2,000万人以上の消費者にサービスを提供している。
この事業では7つの島にある10の倉庫からなる物流ネットワークを活用し、483の都市と6,500の郡をカバーしている。国が多くの島々から成り立っているという事実を考えると、eコマース事業の配達で標準的に利用できるドローンの導入はその他の物流関連サービスと同じく、インドネシアの人々がより効率的で信頼できるサービスを受けられるようにするべきだ。
JD.ID社は、注文の同日または翌日に85%の荷物を配送するという目標を掲げている。また、JD.ID社はその物流やその他リソースを活用し、震災時支援活動などの人道的支援を行うことを約束している。
JD.com社のチーフストラテジーオフィサーであるJon Liao氏は次のように述べた。
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インドネシアの歴史の中でも重要な瞬間に貢献できたことは、特別なことだ。私たちは2年以上前から中国で実際の配送のためドローンを使ってきた。そしてこの技術が国中の人々の生活に大きな影響を与えることができることを知った。私たちはこの技術の可能性を最大限引き出すため、そしてインドネシアの人々により便利に提供するために、WEFおよびインドネシア政府と緊密に協力していくつもりだ。
JD.com社はWEFの戦略的パートナーであり、WEFの第4次産業革命センター(C4IR)のパートナーでもある。C4IRは政策の枠組みを発展させ、科学と技術の恩恵を促進させるような提携を促すため、複数のステークホルダーが連携する世界的な組織だ。ドローン技術を利用して援助を必要としている地域に届けることは、C4IRのアジェンダの中でも最優先事項になっている。WEFとJD社はインドネシアでのパイロット飛行の成功を確実にするため密接に協力している。
世界経済フォーラムのDrones and Tomorrow’s Airspace代表であるティモシー・ロイター氏は下記のように述べている。
この試行は、インドネシア史上初の政府承認ドローン配達事業を意味している。遠隔地で重要な医療、人道支援、生命維持に欠かせない医療品へのアクセスを改善するためにドローンの配達を利用する。これらのテスト飛行は、インドネシアが東南アジア地域でのリーダーになる機会となるだろう。