人が立ち入りにくいインフラ施設の点検では、狭隘部や高所などがボトルネックになりやすい。点検員の安全確保と作業負担の軽減をどう両立するかは、老朽化が進む施設の維持管理で共通の課題となっている。
株式会社新井組は、東大阪市内の八戸ノ里雨水貯留施設で、流入出部を対象にドローン点検の実証実験を実施した。複雑な構造を持つ貯留施設は経年劣化によるひび割れや腐食が生じやすく、定期点検が不可欠だが、狭い内部空間では人による点検が難しいほか、高さのある箇所では足場設置が必要になるなどの課題があるという。
実証実験は2025年11月28日、八戸ノ里雨水貯留施設の流入出部で行った。機材には、株式会社Liberawareの狭小空間点検ドローン「IBIS2」を使用した。
検証項目は、狭く複雑な構造体における安定飛行の可否、暗所での撮影を想定した照明と超高解像度カメラの性能、従来手法と比べた点検期間の短縮や省人化効果などとしている。
新井組によると、IBIS2が狭隘な空間を有する構造体の奥まで進入し、内部構造や施設の状態を静止画・動画で捉えたという。点検員が危険な環境に立ち入る場面を減らし、人身事故リスクの低減につながる点を成果として挙げた。
また、ドローンで取得した静止画・動画を蓄積することで、劣化状況の進展度合いをデータで確認でき、長期的な視点での維持補修計画の立案に活用できるとしている。

