株式会社スペースデータと、東京大学発のニューロテック・スタートアップとして脳・生体信号解析を基盤としたプロダクトを開発する株式会社FastNeuraは、「環境」と「人間」のデータをリアルタイムに同期させる統合プラットフォームの構築可能性に関わる業務提携をした。
「防衛・国家安全保障」「防災・国家レジリエンス」領域において、平時の「訓練環境」と有事の「極限環境」など高度な判断能力が求められる場面において、人間の認知能力を維持・拡張する次世代インフラの実装可能性について検討を進めていく。
協業の背景と目的:「環境(ハードウェア)」と「人間(ソフトウェア)」のギャップを解消する
AGI(汎用人工知能)の進化により、AIの処理能力が人間の認知限界を遥かに凌駕する「ポストAGI時代」が到来しようとしている。人類の活動領域が物理的な制約を超えて拡大していく一方、有事における情報爆発による認知負荷や極限環境下での意思決定において、「人間の認知能力の限界」が最大のボトルネックとなりかねない。
スペースデータは、衛星データからバーチャル空間に地球や宇宙の環境を再現する技術や、プラネタリースケール✕フィジカルAIの統合技術基盤「PROVIDENCE」を有している。一方、FastNeuraは、脳・生体信号から無意識状態を推定・制御する「認知を最適化するニューロテクノロジー群」を開発している。
両社のディープテックを組み合わせることで、「環境」と「人間」を相互接続し、いかなる環境下でも人類のパフォーマンスを最大化する「生存インフラ」の構築が可能となると確信している。
重点取り組み領域:ディープテックによる国策・産業課題の解決
本提携が目指すのは、物理的な「環境」と、そこで生きる「人間」が分断された従来の社会システムを、テクノロジーによって再統合することだ。我々は、防衛・安全保障および防災・国家レジリエンスという、国民の生命と財産を守るための最重要領域において、環境データと生体データを高度に同期させた次世代インフラの実装を推進する。
現代の安全保障において焦点となる「認知領域」においては、物理空間の制御だけでなく、人間の認識や判断能力そのものを守り拡張することで、高度情報戦時代における国家の優位性を確立する。この技術は同時に、日常と有事をシームレスに繋ぐ「フェーズフリーな社会レジリエンス」の基盤ともなる。平時の快適な都市インフラが、災害時には人々の心理状態に寄り添い、無意識的に心身の安全へと導く適応型の社会システムへと変貌することで、危機管理能力の抜本的な向上に寄与する。
例えば、災害時の避難所において、避難者の集団的なストレス状態をリアルタイムに把握し、照明・音響・情報提示を自動調整することで、パニックを抑制し睡眠の質を確保するシステムや、長時間の監視任務に従事するオペレーターの認知疲労を検知し、重大インシデントを未然に防ぐ支援システムなどが想定できる。
これらを通じ、ディープテックによる国策レベルの課題解決と、新たな産業基盤の創出を主導していく。