Terra Drone株式会社(テラドローン)は1月19日、宮城県石巻市で新たなクマ対策として、「クマよけスプレー搭載ドローン」の提供と運用支援を始めたと発表した。石巻市が民間企業と連携して行うクマ対策は、今回が初めてとなる。
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クマの捕獲や追い払いを担う全国の狩猟免許所持者は、1975年度の約52万人から2020年度には約22万人ほどに減少。60歳以上が6割近くを占めており高齢化も深刻だ。
警察や自衛隊といった既存の関係機関は、野生動物への致傷訓練に任務上の制約を抱えており、迅速な現場投入が困難。地上からの追い払いは、オペレーター自身がクマと直接対峙する危険を伴う。
こうした状況を受けて開発されたのが、クマよけスプレーを搭載したドローンだ。人がクマに近づくことなく、上空から遠隔操作でスプレーを噴射できるため、現場の安全を確保しながら追い払いが可能になる。
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クマよけスプレーは、トウガラシ由来の辛味成分「カプサイシン」を主成分としたクマよけ用途スプレーで、対応噴射距離は約5~10m。カプサイシンが目・鼻などの粘膜に強い刺激を与えることで、人間の数千倍の嗅覚を持つクマを一時的にひるませ、突進や接近から退避する時間を確保することができる。
今回の取り組みでは、石巻市と協定を結んでいる地元企業の佐藤土木測量設計事務所がドローンの操縦と運用を担当し、市と連携してクマ出没時の対応にあたる。人手不足を補いながら、より早く、安全な体制づくりにつなげる狙いだ。
テラドローンは、今回の石巻市での取り組みをモデルケースとし、今後は全国の自治体へ展開していきたいとしている。
テラドローン 代表取締役社長 徳重徹氏のコメント:
「このたび石巻市における取り組みで、既存の体制を補完する第三のクマ対策を本格的に始動させることができました。これは、全国でクマ被害が拡大し、既存の人力での対応体制だけでは限界に近づいている中で、民間企業が果たすべき社会貢献の形です。今後の取り組みを通じて、本モデルを全国に展開し、日本の獣害対策を変革してまいります」
宮城県石巻市のコメント:
「ドローンはどこでも飛行できるわけではなく、活用には一定の条件があります。一方で、クマ対策の選択肢が一つ増えることで、人がクマに接近せずに対応できる体制づくりが可能になります。まずは本市において人身被害の防止に加え、対応にあたる従事者の事故防止にもつながることを期待しています」
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クマの出没はすでに東北や関東、中部、近畿など広い地域で確認されており、被害は全国的な課題となっている。こうした中、同社は全国対応が可能なドローンパイロットのネットワークを生かし、各地のニーズに応えていきたい考えだ。