株式会社コンステック、JR東海不動産株式会社、株式会社スカイスコープソリューションズの3社は、外壁調査の精度・効率・安全性の両立を狙う「ドローン赤外線ベストミックス調査法」を共同開発し、運用を開始したと発表した。従来の打診法に、地上赤外線法とドローン赤外線法を現場条件に応じて組み合わせ、広範囲を短時間で調査しつつ画像記録も残す点を特徴とする。
外壁調査は、足場や作業負担、コストの問題から実施が進みにくい場面もある。今回の手法は、打診に依存しがちな工程を「赤外線で見える化」し、必要な箇所に打診を集中させることで、調査の負担軽減と効率化を目指すとしている。
ベストミックス法では、日射が得にくい北面や狭あい部は打診法を適用し、それ以外は赤外線法を原則とする。地上から届かない高所は、赤外線法とドローンを組み合わせて補完する構成だ。地上赤外線法・ドローン赤外線法ともに打診法と同等の検出精度を確認したとしている。

運用面では、資格保有者による体制のもと、ドローンは原則として係留し、保安員を配置して運用する。一般財団法人日本建築防災協会が公開する「定期報告制度における赤外線調査(無人航空機による赤外線調査を含む)による外壁調査 ガイドライン」を参考にしつつ、打診との併用確認を適切に実施するとしている。
実運用では、打診の適用範囲を概ね40〜50%に抑え、地上赤外線法とドローン赤外線法で広範囲をカバーすることで費用対効果を高めたという。3社によれば、全面打診法による調査と比べて約20%のコスト削減につながった。赤外線画像データで記録を残すことにより、透明性の向上や報告品質の改善にも寄与するとしている。

本手法は2021年から、横浜市、浜松市、習志野市の実建物で検証実験を実施。離隔・風・電波などの環境制約への対応フローを策定し、手引きを整備した。将来的にはドローンの自動飛行や日常点検のデジタル化も見据え、建物所有者・管理者に「迅速・高精度・安全」の外壁調査を提供するとしている。
