DRONE SPORTS株式会社は、建設業界における点検作業の安全性と効率化を目的として、超小型ドローン技術に関する研究に協力し、その成果が土木学会にて発表された。本稿では、極限まで小型化されたドローン技術を用いた狭所空間計測の有効性と、その先の技術開発ロードマップについて報告する。
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DRONE SPORTSは、大手建設会社との共同研究「ドローンを活用した狭所空間における計測技術の研究」において、当社が独自に開発した高輝度LED搭載の超小型ドローン「Rangle micro」の提供と技術サポートを行った。
研究の背景と目的
プラントや建設現場における保守点検の需要が高まる中、人手による作業が危険を伴い、時間とコストの面で限界がある場所が増加している。本研究は、従来の計測機器では困難であった、人が立ち入れない狭所空間や暗所での計測に特化した「Rangle micro」の計測技術の有用性を確立し、その技術的課題を学術的に検証することを目的とした。
検証内容
本検証は、パートナー企業の技術研究所内の狭所空間において、「Rangle micro」(SfM測量)と「地上型レーザースキャナ(TLS)」という異なる計測技術を用い、計測精度、計測時間、解析時間などを厳密に比較検証した。
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検証結果と成果
本研究により、ドローン活用における以下の技術的有用性および、今後の技術開発に向けた課題が明確になった。
TLSに匹敵する良好な精度を部分計測で確認
狭所空間内の構造物寸法計測において、「Rangle micro」はTLSと同等の、非常に良好な精度を確保できることが確認された。これは、点検作業における一次スクリーニングや、視覚的な情報取得において、本技術が即座に実用可能であることを示唆している。
計測時間の大幅な短縮と死角の解消
TLSと比較し、ドローンによる計測は作業時間を大幅に短縮できることが確認された。
また、TLSでは障害物による計測漏れが発生しやすいのに対し、「Rangle micro」は飛行撮影により、構造物の影となる部分を排し、計測の網羅性を大幅に向上させるという優位性が確認された。
実用化に向けた技術的課題の明確化
一方で、本研究を通じて、全ての環境下で計測精度を一律に保つための技術的課題や、TLSに比べて解析時間が長くなる可能性があるという、実用化に向けた具体的な技術改善点が明確になった。
今後の展望と中長期計画
本研究では「Rangle Micro」を使用したが、当社は既に次世代機「Rangle Micro 2」をリリースし、貸し出しを開始するなど、継続的な技術アップデートを推進している。当社はこの流れをさらに加速させ、極限環境における運用信頼性を飛躍的に向上させるための取り組みを進める。また、技術開発はドローンに留まらない。水中のROVや地上走行ロボットなど、ドローン以外のロボット技術も積極的に活用した複合的な点検ソリューションの開発・実用化を進める。
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これらの取り組みを通じ、インフラ・プラント点検における安全性と効率性を根本的に変革し、弊社の「Rangle シリーズ」による技術が建設・設備業界の点検手法の標準となることを目指していく。なお、本研究の詳しい成果は、2025年9月に開催された土木学会にて発表された。