BAE Systemsは、英国で設計・製造した人工衛星群の低軌道への打上げが成功したことを発表した。これらの人工衛星は、宇宙ベースのISR(情報・監視・偵察)能力を防衛、安全保障、民間分野に提供し、現代のさまざまな脅威に対する英国の防衛力を強化する。
2025年11月28日、BAE Systemsが設計・製造した英国製のAzalea RF(無線周波数)衛星3基の打ち上げが成功した。これは、Exolaunch社を介し、SpaceX社のTransporter-15ライドシェアミッションの一部として実施された。打上げ後、これら衛星との通信は、グリニッジ標準時23:05から04:55の間の最初の3回のコンタクトの機会のすべてにおいて、問題なく確立された。
今回の打上げ成功は、BAE Systemsが自己資金で推進しているAzalea計画の重要なマイルストーンになるものだ。同計画では3基の衛星が高度350マイルで編隊を組んで飛行し、超広帯域RFセンサーによって地上の無線信号を監視して位置を特定し、広大な距離にわたる監視を実現する。
これらの衛星群には、雲を透過して地表の画像を作成する合成開口レーダー(SAR)衛星1基も加わる。フィンランドICEYE社製のSAR衛星は、今回のTransporter-15ミッションで同時に打ち上げられ、これが加わることで先進のマルチセンシング機能を備えた4基の衛星で構成されるクラスターとなる。
このクラスターは宇宙空間でRFデータとSARデータを処理し、陸・海・空のすべてを通じて意思決定者へ実用的な情報をほぼリアルタイムに直接提供するように設計されている。これらの情報によって、意思決定者が軍隊を守り、重要な国家インフラを保全し、海上における違法な活動を検知することをサポートする。今後数カ月にわたり、BAE SystemsはこのRFデータとSARデータの革新的な融合を試験的に運用し、情報収集や災害救援といった幅広いユースケースで活用する道を顧客とともに探っていく。
BAE SystemsのDigital Intelligence事業担当グループ マネージング ディレクター、アンドレア・トンプソン氏は次のようにコメントしている。
当社のAzalea計画は、防衛、安全保障、宇宙分野のイノベーションにおける数十年の経験を基盤としています。この計画は、防衛と国家安全保障において宇宙が果たす重要な役割が反映されおり、宇宙空間から地球を俯瞰したユニークな視点によって、現代の複雑な脅威への理解をより一層深め、効果的に対応することを可能にします。
この最先端のテクノロジーは、宇宙空間からのインサイトをほぼリアルタイムにユーザーへ直接届け、英国および同盟国の防衛に役立つ、情報に基づいた意思決定を実現できるように設計されています。英国の宇宙での可能性を高める弊社チームをとても誇りに思います
1基あたりの重量約150kgのRF衛星には、BAE Systemsが設計・開発・製造・運用するAzalea強化ソフトウェア無線(SDR)が搭載されていまる。この装置は、人工知能(AI)によってRFデータとSARデータを衛星上で正確に処理して実用的な情報へと変換した上で、安全に地上へ送信する。携帯電話のオペレーション システムのアップデートと同じように、ペイロードの再構成も軌道上で遠隔から迅速に行えるので、Azaleaは将来のお客様のミッションにも最先端の宇宙技術で確実に応えることができる。
この衛星クラスターは秒速約7.6kmで移動し、90分ごとに地球を周回している。
英国宇宙庁(UK Space Agency)のCEO、ポール・ベイト博士は次のようにコメントしている。
Azalea衛星コンステレーションの打上げが成功したことで、宇宙からの高度な情報の利用可能性が高まります。これは、世界中で急速に増大している民間、国家安全保障、防衛分野の顧客からの需要を満たすものになるでしょう。
AIを活用することで単なる生データを実用的な情報に変えてくれるこれらの新しい衛星は、英国の宇宙産業におけるBAE Systems社の重要な歓迎すべき投資の成果であり、経済成長の促進と安全保障において極めて重要な役割を果たします