金属積層造形技術のリーディングカンパニーであるEOS社(注1)は、2025年11月18日、ドイツ・フランクフルトで開催された積層造形(AM:Additive Manufacturing)技術分野における世界最大級の国際展示会「Formnext 2025(注2)」にて、新型金属3Dプリンター「EOS M4 ONYX」を発表した。株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズは日本国内の販売代理店として、2026年の第1四半期(1-3月)より本製品の取り扱いを開始する。レーザー粉末床溶融結合(L-PBF)(注3)方式の3DプリンターであるEOS M4 ONYXは、産業規模の拡大に対応する大型ビルドボリューム、高スループット、高信頼性およびサステナビリティを追求した設計を特徴としており、エネルギー、宇宙、防衛、航空、半導体などの高付加価値産業における実生産ラインでの安定稼働に対応した次世代機だ。
背景
近年、金属AM技術は従来の研究・試作用途にとどまらず、生産用途へと急速に拡大している。軽量化、複雑形状の一体化、在庫削減、生産の柔軟性向上など、従来製造では実現が難しい要件に応えられる手法として注目を集めている。しかし、産業規模でAMを適用するためには、大型部品の造形能力、高いスループット、安定した品質、材料の効率的な再利用、システム全体の自動化など、より高度な要求が求められている。EOS社はこれらの課題に応えるべく、次世代金属3DプリンターとしてEOS M4 ONYXを発表した。同社は、30年以上蓄積してきたEOS社製品の販売・導入・サポート実績を活かし、この新機種の価値を日本の顧客に届けるべく積極的に展開を進めていく。
特徴
EOS M4 ONYXは、エネルギー、防衛、宇宙、航空、半導体分野のような、要求の厳しい産業向けにニーズを満たすように設計されており、最先端のソフトウェアや統合された高度な周辺機器も取り入れている。
-
大判ビルドボリューム
450×450×400 mmの造形サイズを実現し、大型部品や複雑形状の一体造形に対応する。 -
生産性向上とコスト低減
・ 6本の400W レーザー搭載モデルでは、従来比50%のスループット向上、最大30%の部品コスト低減を実現する。
・ 上位モデル「FLX」では、4本の1kW レーザー(ビームシェーピング機能)による高出力造形で、造形速度と柔軟性を向上させる。 -
優れたプロセス安定性
ガスフローの均一化と積極的な温度管理により、造形品質を向上させ、造形サイクルを短縮する。 -
品質保証コストを低減
統合型エラー検出機能により、品質保証コストを最大50%削減可能である。 -
サステナビリティへの対応
粉末回収率90%以上を実現し、原材料コストと廃棄物を削減する。
有害な凝縮物を安全に処理し、消耗品の大幅削減を実現する新フィルターシステム「RFS Pro」を採用し、運用コストと環境負荷を低減する。 -
信頼性の高い稼働時間
実績ある技術により、フルサービス契約で最大97%のシステム稼働率を実現する。 -
造形品質の向上
EOS Smart Fusionでサポート材を最小限に抑え、表面品質を向上させ、後処理工程を削減する。 -
デジタルワークフロー・自動化
EOS Build+、Siemens の制御系、オープンAPIにより、造形準備から造形完了までの時間を最大30%短縮する。
夜間自動起動、短時間のジョブ切り替えにも対応し、生産ラインの自動化を推進する。 -
対応材料
チタンをはじめニッケル、ステンレスが順次適用され、主要金属材料を幅広くサポートする。
EOS M4 ONYXのスペック
| 造形可能領域(xyz) | 450×450×400mm(注4) |
|---|---|
| レーザー | Yb-fiber laser 400W×6本 |
| スキャン速度 | 最大7.0m/s |
| フォーカス径 | 約90 µm |
今後について
今回発表された新型金属3Dプリンター、EOS M4 ONYXは、2026年の第1四半期(1-3月)より販売を開始する。
上位モデル「FLX」は第3四半期(7-9月)の販売開始を予定している。
販売に先立ち、12月10日(水)にEOS M4 ONYXのウェビナーを開催する。
(注1) EOS社HP
(注2) Formnext HP
(注3) L-PBF : Laser Powder Bed Fusionの略称。レーザー粉末床溶融結合法と呼ばれ、産業用金属3Dプリンターで最も一般的な方式である。
(注4) 造形可能領域 : 造形プレートを含む高さである。