株式会社ElevationSpaceは、宇宙戦略基金事業(第二期)において、「高頻度物資回収システム技術」の実施機関として採択されたことを発表した。本採択を受け、同社は地球低軌道(LEO)の宇宙ステーションなどの有人拠点から、実験サンプルや製造物資を地球にタイムリーかつ高頻度で回収するサービス「ELS-RS 」の実現に向けたシステム開発を加速していく。
採択概要
技術開発テーマ名:高頻度物資回収システム技術
実施機関名(代表機関):株式会社ElevationSpace
研究代表者名:藤田 和央
技術開発課題の名称:地球低軌道拠点からの高頻度物資回収サービス(ELS-RS)実現に向けたシステム開発
技術開発課題の概要:(契約締結・交付決定後に公表)
技術開発テーマの背景と目的
2030年の国際宇宙ステーション(ISS)運用終了後のポストISSでは、これまで政府間で所有・運用されてきた地球低軌道の有人拠点は、民間が所有・運用する形態に移行していくことが計画されている。これにより市場規模3兆円とも試算される地球低軌道利用サービス市場への民間事業者の参入が喫緊の課題となっている。
民間企業などが宇宙産業に参入するためには、宇宙における技術実証や実験が欠かせないステップであるが、サンプルの回収を伴わない実証・実験では取得できるデータが限定的である。現状、ISSから地球への実験サンプルの輸送手段は、有人宇宙船などに限られており、回数も年に3〜4回程度と低頻度である。
また、日本においては回収地点が国外に限定されており、国内でデータ分析や解析を行うことへの制約がある。この輸送能力の制約は日本においても、また各国においても民間企業などの宇宙環境利用、特にサンプルの回収を伴う高度な実証や実験における大きな阻害要因となっている。
本技術開発は多様化するサンプルの回収ニーズに対応し、国際競争力を持つ高頻度物資回収システムを日本で確立することを目的としている。同社は2023年4月より2年間、J-SPARC(JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ)のもとJAXAと「地球低軌道拠点からの高頻度再突入・回収事業」に関する共創活動を行っており、JAXAが培ってきた「大気圏再突入・回収技術」の知見について支援を受け、技術検討を進めている。
民間主導による回収インフラを構築することで、日本の宇宙開発の自立性を高めるとともに、国際競争力を持つグローバルな宇宙輸送サービスの開発を行い、地球低軌道利用市場への国内外民間企業の参入を強力に後押しする。
高頻度物資回収サービス「ELS-RS」概要
地球低軌道拠点からの物資回収サービス「ELS-RS」は、世界で初めて、宇宙ステーションなどの有人拠点からの高頻度物資回収を実現する小型無人回収サービスである。

ElevationSpace 代表取締役CEO 小林 稜平氏のコメント
この度は、宇宙戦略基金事業(第二期)において、「高頻度物資回収システム技術」の実施機関として採択されましたことを大変光栄に思います。地球低軌道における有人拠点からの物資回収は、宇宙環境利用を支える基盤技術であり、宇宙における実証・研究・製造を持続的に発展させるための必須の交通インフラです。
これまで日本は物資回収を海外パートナーの帰還機に依存してきましたが、今後は日本で直接回収する独自の能力を確立することが宇宙開発における自立性を高め、国際的な競争力を維持・強化する上で極めて重要です。ElevationSpaceは、「軌道上のヒト・モノをつなぐ交通網を構築する」というビジョンのもと、今回の開発を通じて、民間主導による高頻度回収インフラの確立に挑戦し、日本発の技術で宇宙から世界中に物資を届ける交通インフラを実現してまいります。