モビリティ向けサーマルマネジメントの世界的なリーダーであり、車両電動化のパイオニアであるヴァレオは、EV向けの革新的なヒートポンプ・システムのコンパクト5方向冷媒バルブにより、「車両技術&先進モビリティ」カテゴリーで「CES 2026 イノベーション・アワード」を受賞した。ヴァレオのサーマルと組み込みシステムの専門知識を活かしたこの新開発のバルブは、次世代EVのニーズに対応するために、機械的なイノベーションと先進的な材料を組み合わせるというグループの能力を示している。
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ヴァレオ・パワー・ディビジョンCEOであるグザヴィエ・デュポン氏は次のようにコメントしている。
ヴァレオのイノベーションの一つが、再びCESイノベーション・アワード®を受賞したことを誇りに思います 。このブレークスルーは、電動モビリティの効率を高め、持続可能にするというヴァレオのミッションを完璧に具現化しています 。サーマルシステムの設計を簡素化することで、ヴァレオはお客様がよりスマートなEVへの移行を加速するサポートをしていきます。
複雑なEVのサーマルシステムをシンプルに
サーマル・マネジメントはEVにおける最大の課題の一つである。最高の性能と航続距離を提供するためにはバッテリーを最適な温度に保つ必要があるが、乗員の快適さのための空調も考慮に入れる必要があるからだ。そこで、エネルギー効率を改善し、すべての補機に熱と冷却を提供するために、スマート・ヒートポンプ・モジュールが必要になる。
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業界初のこの5方向冷媒バルブは、ヴァレオのスマート・ヒートポンプ・モジュールに統合され、画期的な回転プレート機構によって流路チャンネルを制御することで、従来の3つのソレノイドバルブ(SOV)と1つのチェックバルブを単一のコンパクトなユニットに置き換える。この機械的なソリューションは、複数のバルブの必要性を排除し、5秒未満で加熱モードと冷却モードをシームレスに切り替えるため、エネルギー損失を最小限に抑え、全体的な信頼性を高める。
簡素化されたアーキテクチャにより、配線、部品とインターフェースを削減し、省スペースと軽量化を実現できる。これにより、システムはさまざまなEVアーキテクチャに容易に統合できる。極寒の-40℃から灼熱の105℃までの温度域で動作するように設計されており、R-1234yfに加えて次世代の低影響冷媒R-290などとも互換性があり、環境基準に準拠し、将来のEVプラットフォームに備える。

効率と持続可能性のための卓越したエンジニアリング
このバルブのコンパクトな設計は、ヴァレオの長年のサーマルシステム・エンジニアリングの専門知識から生まれた。そこでは機械的な精度と先進的な材料科学が融合している。耐久性と信頼性を確保するために、ヴァレオのエンジニアはテフロン™技術に着想を得た高性能ポリマーシールを選んだ。これらの先進的な材料は、極端な温度と圧力に耐え、優れた漏れ防止性能を維持する。また、摩擦、振動、騒音の低減にも貢献し、静かなEVで快適性を維持する鍵となる。
このシステムは顧客からの受注に対応可能であり、2026年9月から量産を開始する予定である。
CESイノベーション・アワード:デザインとエンジニアリングにおける卓越性を称えて
世界的に有名なCESイノベーション・アワードプログラムは、コンシューマー・テクノロジー協会(CTA)が所有および制作しており、36のテクノロジー製品カテゴリーにおける卓越したデザインとエンジニアリングを表彰する年次コンペティションである。各カテゴリーで最も高いスコアを獲得した製品には、「Best of Innovation(最優秀イノベーション賞)」の栄誉が贈られる。メディア関係者、デザイナー、エンジニアなどを含む業界専門家の精鋭パネルがエントリーを審査した。製品の説明と写真を含むCESイノベーション・アワード 2026年の受賞リストは、こちらで確認できる。