宇宙産業における総合的なサービスを展開するSpace BD株式会社は、イタリア、ローマ・サピエンツァ大学が開発した超小型衛星「CoRAL」を搭載した新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」1号機が、2025年10月26日午前9時00分15秒(日本標準時)に、種子島宇宙センターから打上げられたことを発表した。
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契約締結からわずか1.1年という短期間で打上げを実現した本衛星は、国際宇宙ステーション(ISS)到着後、数か月以内に日本実験棟「きぼう」に搭載された小型衛星放出機構「J-SSOD」から放出される予定だ。
Space BDの役割
同社は、ローマ・サピエンツァ大学が開発した超小型衛星「CoRAL」について、安全審査および適合性審査における各種技術要件への対応支援や、関連機関との調整を通じて、打上げまでのプロセスを包括的にサポートした。その結果、契約締結からわずか1.1年という短期間での打上げを実現した。
従来1年半から3年を要していたリードタイムを、当社の豊富な実績と知見、そして多様な輸送手段まで含めたワンストップ支援体制を活かすことで、大幅に短縮することができた。
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本件は、Space BDとして初のイタリア機関との連携事例であり、当社が推進する国際的な宇宙利用支援の新たな成果となる。
超小型衛星「CoRAL」について
CoRALは、欧州宇宙機関(ESA)のプロジェクトとして、Thales Alenia Space Italia社、ローマ・サピエンツァ大学(CRASおよびS5Lab研究グループ)、TeleSpazio S.p.A.が共同開発した2Uサイズの小型衛星(CubeSat)だ。低消費電力通信モジュールを活用した衛星間IoT通信ネットワークの実証および軌道上での電波干渉モニタリングを目的としている。2021年に開発が開始され、今回のHTV-X1ミッションにより打上げが実現した。
本実証を通じて、将来的には小型衛星群やコンステレーション間の協調運用におけるIoTモジュールの活用を目指しているという。
Space BD株式会社 ユーザーインテグレーションリード 茂住和也氏のコメント
通常より短い期間で各種審査等を進めることができ、お客様のご希望の打上げ便へ搭載することができたことを嬉しく思います。
契約から打上げまで、通常よりも短い1.1年というスピードで実現できたのは、お客様の迅速な対応はもちろんのこと、当社がこれまで数多く手掛けてきた多様な衛星・ロケットとのインテグレーション実績をもとに、複雑な調整事項の1つ1つに対してお客様とチームとして取り組めたことが大きいと思います。
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今後も、この知見や経験を最大限に活かし、お客様のご希望を実現できるよう貢献してまいります。CoRALプロジェクトの成功を心より願っております。
本ミッション仕様
| 放出方法 | J-SSOD(日本実験棟「きぼう」小型衛星放出機構) |
| 打上げロケット | H3ロケット 新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」1号機にて輸送 |
| 対象衛星 | CoRAL (ローマ・サピエンツァ大学) |