同日13時20分頃、北京航空宇宙飛行制御センターは、地上の計測制御ステーションを通じて、高精度の航行パラメータを嫦娥6号軌道船とリターナーの組み合わせに注入した。その後、軌道周回機と帰還機は通常通りロック解除され、南大西洋の海抜約5,000kmの地点で分離され、軌道周回機は予定通り軌道回避を完了した。
- Advertisement -
約1341時間、地上から約120kmの高度で、嫦娥6号帰還機は大西洋上空で初めて地球の大気圏に突入し、第二宇宙速度(約11.2km/s)に近い高速で初期空力減速を実施した。所定の高度まで降下した後、インド洋上空で大気圏外に飛び出し、最高点に到達して滑空を開始した。その後、大気圏に再突入し、二次空力減速を行った。地上高度約20キロまで降下した後、パラシュートを開いた姿勢に移行。高度約10kmでパラシュートを開き、最終減速を終えて安定した姿勢を保ち、所定のエリアにスムーズかつ正確に着陸した。
捜索・回収任務を担当した発射場および回収システムの技術者は、北京センターから伝達された着陸地点の情報をもとに行動計画を立て、帰還者の捜索を行い、時間内に目標を発見し、帰還者が正常な状態であることを確認し、整然と回収作業を行った。
計画によると、回収された「嫦娥6号」帰還者は、必要な地上処理作業を終えた後、北京に空輸され、モジュールを開封し、サンプルコンテナとピギーバックを取り出す。国家宇宙局は適切な時期に引き渡し式を行い、月面サンプルを地上応用システムに正式に引き渡し、その後、サンプルの保管、分析、研究に関する作業を行う。
- Advertisement -
嫦娥6号は5月3日に中国の文昌宇宙基地から打ち上げられ、地球-月遷移軌道に入った。軌道修正と月近傍での制動を経て、探査機は順調に周回軌道に入った。その後、着陸機・上昇機組合せとオービター・リターナー組合せの分離が行われ、カササギ・ブリッジIIリレースターの支援の下、着陸機・上昇機組合せは周回降下とパワー降下を行い、6月2日に月の裏側の南極エイトケン盆地の予め選択された領域に正確に着陸し、サンプリング作業を実施した。
6月4日に上昇機が離陸のために点火され、正確に軌道に入り、6月6日にオービター・リターナー組合せとのランデブーを完了した。6月6日、オービター・リターナー結合部とのランデブー・ドッキングとサンプル移送を完了した後、オービター・リターナー結合部から分離し、予定通り制御された状態で月面に着陸した。その後、オービターとリターナーの組み合わせは13日間待機して月を周回した後、2回の月-地球間移動と1回の軌道修正を終えて、6月25日にリターンはオービターから分離し、月のバックサンプルとともに地球に帰還した。
「嫦娥6号」ミッションが成功裏に終了した後、「カササギ2号」中継衛星は、好機を見計らって科学探査ミッションを実施する予定であり、極紫外線カメラ、アレイ中性原子イメージャー、地球-月超長基線干渉計(VLBI)試験システムを搭載し、月と深宇宙からの科学データを収集するという。