プロジェクト背景
ドローンや空飛ぶクルマの普及には、車に対する高速道路、信号機、交通規則、飛行機に対する管制官や管制塔、管制システムと同じようなインフラが必要です。その役割を果たすのがUTMで、ドローンや空飛ぶクルマの動きを管理し、有人機との衝突などの事故を防止し、運航を安全に最適化するための総合的な交通インフラを提供する。
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ドローンや空飛ぶクルマの利活用が進む中、これまで以上に空の安全の確保が重要視されており、運航や飛行計画、運航者の登録管理、飛行記録など、総合的な運航管理を支援するためのプラットフォームであるUTMは不可欠だ。
しかし、UTMはまだ新しいプラットフォームであり、今後、その脆弱性を悪用するサイバー攻撃の標的となる可能性ある。ドローンや空飛ぶクルマの運航に関する安全や、利用者のプライバシー、事業の運営などが脅かされる可能性があり、UTMに対するサイバーセキュリティは重要な課題として認識されている。しかしこれまで、UTMに特化したサイバーセキュリティフレームワークは検討されておらず、どのようなセキュリティ機能を備えるべきかを想定することが困難な状況だ。
ユニフライは今回、数多くの航空管制サービスプロバイダー(ANSP)へのUTM導入実績などが評価され、FAAから助成金を受けることとなり、セキュリティをはじめとする先進技術分野のコンサルティングを手がけるRhea Groupと、ドローン関連技術の試験・検証を行うNUAIR NY Test Siteとのパートナーシップのもと、UTMのためのサイバーセキュリティフレームワークを構築し、具体的なサイバーセキュリティ対策の開発に向けた、実証実験を実施した。
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プロジェクト概要
ユニフライは、2022年9月から1年間、FAAの助成金によるプロジェクトとして、UTMに特化したサイバーセキュリティの構築に向けた実証実験を実施した。まず、UTMに特化したサイバーセキュリティの必要性に関して、業界に影響力のある以下の関係企業や団体に聞き取り調査を行いました。
- ・米連邦航空局 航空交通機関(FAA ATO)
- ・米国空宇宙局(NASA)
- ・米CNA:アメリカ・バージニア州に拠点を置く非営利の調査分析機関
- ・Nav Canada:カナダの航空管制サービス・プロバイダー
- ・DroneUp:アメリカのドローン宅配サービス・プロバイダー
- ・アメリカの空飛ぶクルマ製造企業
結果、「UTMに特化したサイバーセキュリティのフレームワークが必要」や「UTMのような新しいプラットフォームを導入する際は、サイバーセキュリティの方向性を確立することが不可欠」と言ったような声が寄せられるなど、すべての関係者が、UTMに特化した新しいサイバーセキュリティフレームワークが必要だとの認識を示したという。
そうした関係各所からの声をもとに、今回のプロジェクトでは、下記3つの状況下でUTMを使って計60回以上のドローン飛行を実施し、それぞれの運用環境のもとで実装されたセキュリティ制御を検証した。
- 1)攻撃を受けていない理想的な環境
- 2)サイバー攻撃を受けている環境
- 3)サイバー攻撃対策を実施した環境
プロジェクト成果
開発したUTMに特化したサイバーセキュリティを適用することで、サイバー攻撃を受ける件数自体が減少した。また、脆弱性の数も減少するなど、UTMを取り巻くサイバーセキュリティの環境改善につながりました。
展望
今回の実証実験の成果を受け、今後、UTMに対して高度なサイバーセキュリティ対策を実施することで、ドローンや空飛ぶクルマが飛ぶ空域のさらなる安全性を確保することにつながることが分かった。UTMに対するサイバーセキュリティ対策が、UTM業界全体はもちろん、サービスを利用する人々にも安全性や効率性をもたらすと考えているという。
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ユニフライは今後も、FAAをはじめ、さまざまな業界関係者と協力し、ドローンや空飛ぶクルマが普及する未来における「空の安全」を確保するため、空のインフラの構築に取り組み続けるとしている。