イームズロボティクスの事業名は「行政ニーズに応じた物流支援マルチコプターとVTOL型無人航空機製品化」で、行政・民間の現場ニーズ(高精度測量・物流(物資輸送))に対応できる高性能ドローンの開発[中型~大型]というものだ。
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経済産業省の同事業は2027年までのフェーズで、事業期間における交付額上限は5カ年で約30億円だ。これによりイームズロボティクスは、第1種型式認証機体による第三者上空を飛行できる物流マルチコプターと長距離飛行可能なVTOL機を製品化するとともに、運用コストを大幅に削減できる1対多運航の実現、自律飛行の高度化、遠隔監視の強化により様々な物流の社会課題の解決を更に加速させるとしている。
中小企業イノベーション創出推進事業について
SBIR制度において、革新的な研究開発を行うスタートアップ等が社会実装に繋げるための大規模技術実証(フェーズ3)を実施し、我が国におけるスタートアップ等の有する先端技術の社会実装の促進を図ることを目的としている。
同補助金の対象となる事業(補助対象事業)は、経済産業省が提示する研究開発課題(以下、「テーマ」という)を解決するために必要な革新的な新技術を有する代表スタートアップまたは当該新技術を有する代表スタートアップの技術を活用したコンソーシアムによる大規模技術実証だ。公募のテーマは以下の6つ。
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- テーマA(月面ランダーの開発・運用実証)
- テーマB(衛星リモートセンシングビジネス高度化実証)
- テーマC(空飛ぶクルマの機体開発及び型式証明取得等に向けた飛行試験等)
- テーマD(行政ニーズ等に対応したドローンの開発・実証)
- テーマE(小規模分散型水循環インフラの量産化・社会実装事業)
- テーマF(プローブカーデータを活用したグローバルでの高精度3次元地図データの更新技術の大規模実証)
上記テーマにて、技術・研究開発として2023年度~2027年度までの最大5カ年間を事業実施期間としている。
イームズロボティクスが採択したテーマDについては、ドローン性能・機能の向上を加速し、さまざまな分野におけるドローンの利用拡大と、それを通じた社会課題の解決等を加速することを目的としている。
行政ニーズ等に対応したドローンの開発・実証
背景
物流業界では2024年問題にトラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることで生じる諸問題を抱えており、配送の効率化が必須となっている。また、地震・水害等により孤立した住民に対して救援物資や衣料品他を早急に運ぶことにより人命救助につなげることが必要となる。少子高齢化が進む過疎地域ではは「買い物難民」に食料品や日用品の配送が増加していくと考えられる。このような背景から多様なニーズに対応していくために、現在のドローン技術よりさらに高度な物流技術が必要になっている。
実施内容
イームズロボティクスのプロジェクト内容は、離陸時重量25kg以上でペイロード10kg程度のマルチコプターの開発(現在型式認証1種取得試作2号機)、垂直離着陸機(VTOL)にイームズロボティクスの制御技術を搭載した飛行距離50㎞以上の新型機の開発としており、ともに安全性の高い型式認証1種の国内初取得を目指し進める。
また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機(NEDO)の世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクトRealization of Advanced Air Mobility Project:ReAMoプロジェクトにてイームズロボティクスで実施している1対多運航、リモート技術、AI技術を取り入れ運用コストの大幅に削減できる物流ビジネスモデルを構築し、周辺システム・ソフトウェアを搭載した商品開発を進める。安全の高い型式認証機体と物流システムを開発することで物流業界のラストワンマイルの効率化、災害時の自治体、消防の物資輸送、流通業界の宅配の拡大や効率化を進め、物流の社会課題の解決を目指すとしている。
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コンソーシアム
- 東レ・カーボンマジック株式会社(マルチコプター、VTOLのCFD・風洞試験による空力特性最適化、軽量機体構造の設計・製造)
- 株式会社東京アールアンドデー(バッテリー、ハイブリッド発電システム開発とVTOL機体設計)
- 国立大学法人東京大学※予定 (実証実験完了後のAI,リモート安全システム構築に関する支援及び空力によるVTOL設計支援)
- 共同研究先(AIによる危険感知、リモート制御、多運航での自律衝突回避技術実証)
- 佐川急便株式会社(拠点物流、ラストワンマイルにおける物流業務支援)
- パーソルプロセス&テクノロジー株式会社(事務局・PMO)