本実証では、三菱自動車が販売するプラグインハイブリッドEV「アウトランダーPHEV」のリユースバッテリをバッテリキューブに搭載し、その実用性を検証する。
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具体的には、広域災害等による停電を想定し、日立ビルシステムのV2Xシステムと、バッテリキューブをCHAdeMO V2Hコネクタで接続し、日立標準型エレベーター「アーバンエース HF」を、バッテリキューブからの給電で駆動する。
これまで実績のあるV2H機能搭載の電動車からの給電に加え、バッテリキューブからの給電を組み合わせることで企業における災害発生時の、継続的なバックアップ電源確保への貢献をめざす。
三菱自動車と日立はそれぞれ、電動車バッテリのリユースとバッテリキューブの事業化を2024年度に開始することをめざしており、双方連携して企業や自治体などへのバッテリキューブ導入を推進していくとしている。
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また、再生可能エネルギーの有効活用に向けて、電動車やバッテリキューブと太陽光パネルなどを連動させるエネルギーマネジメントの共同実証も行う予定だ。
さらに、電動車バッテリを再利用するだけでなく、その後の再資源化に至るまでの構想を検討し、電動車バッテリにおけるサーキュラーエコノミーの実現をめざすとしている。
「バッテリキューブ」の特長
日立が2021年から開発を進めるバッテリキューブは、電動車のリユースバッテリを活用した可動式蓄電池だ。
CHAdeMO V2H規格を採用することにより、従来の定置型蓄電池と比較して、設置工事が簡易となり、安全かつ柔軟に店舗などの電気設備と脱着できるため、設置やメンテナンスの作業効率を大幅に向上できる。
クラウド上の遠隔監視システムにより、バッテリキューブに搭載されたリユースバッテリの稼働状態をリアルタイムに管理し、状態に応じた運用・メンテナンスが可能。
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様々な車種(乗用車・トラック等)、電動車メーカーのリユースバッテリ搭載を想定した設計を行っている。今後カーボンニュートラル実現に向けて電動車を導入する企業・自治体は、車の動力としてバッテリを使用したのちに、バッテリキューブに搭載し自社のエネルギー用途に使用することで、電動車バッテリの資源循環モデルを構築できる。
これまでの取り組み
電動車の普及に伴い、今後電動車バッテリの高効率化、長寿命化が求められている。三菱自動車では、電動車のパイオニアとして培ってきた知見を生かし、電動車バッテリの寿命を延ばすことに加え、リユースバッテリの活用を進めてきた。
2023年4月からは、岡崎製作所(愛知県岡崎市)の所内に、プラグインハイブリッドEV「アウトランダーPHEV」のリユースバッテリを活用した自律型街路灯を設置し、実証実験を行っている。
また日立は、日立ハイテクとともに、バッテリキューブの事業化に向けた検討を進めている。2023年6月にはセブン‐イレブン・ジャパンと連携し、バッテリキューブを「セブン‐イレブン三郷彦成2丁目店」に設置し、実証実験を開始しているという。