テストエンジニアは約5週間にわたり、スペイン南部のアンダルシア地方で、最高気温44℃の環境下で電気トラックの実力を試した。テストの範囲は、高温下での空調システムの機能性から、電動パワートレインとバッテリーの熱管理性能、急速充電ステーションでの充電プロセス中の測定まで多岐にわたった。
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テスト終了後、プロトタイプはグラナダからバレンシア、バルセロナ、モンペリエ、リヨンを経由して、Wörth am Rheinのメルセデス・ベンツ・トラック開発・テストセンターに戻る2,000キロを超える道のりも自走で走破した。2023年10月10日、eActros 600はワールドプレミアを迎える。この車両は2024年の量産開始を予定している。
メルセデス・ベンツ・トラックのグローバルテスト副責任者、コンラート・ゲッツ博士は次のようにコメントしている。
ゲッツ博士:私たちは昨年から、eActros 600に厳しいテストを課してきました。フィンランドでのマイナス25℃まで冷え込む冬季テスト、公道での初期テストに続き、今度はスペインで40℃以上の環境下で電気トラックの実力を証明する必要がありました。eActros 600は、この難しいテストを難なくクリアしました。次のステップでは、顧客とともに実運用テストを行うことを楽しみにしています。
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eActros 600について
eActros 600の運転席は、アクトロス・モデルシリーズの慣れ親しんだ外観から脱却し、IAAで発表されたコンセプト・プロトタイプからデザイン要素をピックアップし、明確なラインと空気力学的デザインでそれらを継承している。また、インテリアもアップグレードされている。
eActros 600は、3つのバッテリーパックにより、600kWhを超える総容量を搭載し、新しいe-axleの一部である2つの電気モーターは、400kWの連続出力と600kWを超えるピーク出力を発生する。トラクターユニットに加え、メルセデス・ベンツ・トラックはeActros 600のリジッドバリエーションも市場投入と同時に生産する。これにより、完全な電気輸送における他の多くの可能なユースケースを顧客に提供できるとしている。
メルセデス・ベンツ・トラックの開発エンジニアは、車両とそのコンポーネントが従来の大型長距離アクトロスと同等の耐久性要件を満たすよう、eActros 600を設計。これは、10年間で120万キロの走行距離を意味するという。
eActros 600のバッテリーは、リン酸鉄リチウム電池技術(LFP)を採用。これらの特徴は、寿命が長く、使用可能なエネルギーが多いことだ。メルセデス・ベンツ・トラックの開発者は、量産型eActros 600のバッテリーを、出力約1メガワットの充電ステーションで30分以内に20%から80%まで充電できるようにすることを目指している。
メルセデス・ベンツ・トラックによるバッテリー式電気自動車長距離輸送のコンセプトの中核は、車両技術、コンサルティング、充電インフラ、サービスからなる総合的なソリューションを顧客に提供することである。eActros 600は、収益性、持続可能性、信頼性の面で顧客にとって最適な選択肢となるよう計画されている。