ARC Linx P9は、2023年1月にダブリンで開催されたAirfinance Journalのイベントで初公開された。「垂直離着陸(VTOL)機能を備えた世界最先端の9人乗り航空機」と謳われている。
- Advertisement -
この新型機は、都市間移動における費用対効果の高い低炭素ソリューションとして設計され、ヘリコプターの柔軟性と固定翼の実用機の性能を兼ね備えているという。機内は一般的なeVTOLエアタクシーの約2倍の積載量を誇り、より多くの乗客や貨物を運ぶことができるとしている。サイズ的にはAW109ヘリコプターとほぼ同じだという。
しかし、ヘリコプターよりもはるかに複雑なドライブトレインを備えているため、全体的なメンテナンスコストを削減できると言われている。シングルローターとツインターボプロップエンジンを搭載し、SAF(Sustainable Aviation Fuel)や将来的には水素でも走行できるようになる予定だとしている。
ARC Linx P9は複合材の機体で、軽量で抗力が少なく、フルティルトで200ノット、162ノットでの巡航が可能だという。また、最大512海里、13,000フィートまで飛行が可能。その上、滑走路を必要としないジャンプ離陸とノーロール着陸を行えるとしている。
- Advertisement -
この機体は、従来のヘリコプターに比べて40%費用対効果が高く(DARPAモデルによる)、同サイズのヘリコプターに比べて30%航続距離が伸びるとされている(Roskam方式による)。
ARCのCEOであるSeyed Mohseni氏は次のようにコメントしている。
Mohseni氏:これは非常にエキサイティングな設計コンセプトで、手頃な価格で安全かつ実用的でありながら、現在の環境問題に対する正しい解答を提供する、市場にとって究極のソリューションです。
車内は268立方フィートの広さで、座席付きと座席なしを選択可能。プライベートジェット機のような快適さと、空飛ぶタクシーのような手頃さを併せ持つ機体になるとされる。
ARC Linx P9は、早ければ2028年から運航を開始する予定だとしている。