2022年12月21日、Space BD株式会社は、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」を活用したライフサイエンス事業において、国内外の企業・研究機関のサンプルのISSへの輸送が完了したことを発表した。
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サンプルは、NASA 26th Commercial Resupply Service mission(CRS-26)の一部としてSpaceX社クルードラゴン補給船に搭載され、2022年11月27日、日本時間午前4時20分に米国フロリダ州のケネディスペースセンターから打上げられた。同社は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、丸和栄養食品とのパートナーシップのもと、地上での結晶化条件探索、宇宙実験の適合性審査、サンプルの充填作業等をリード。サンプルはすでに結晶生成実験を開始しており、2023年1月中旬頃に地上へ帰還予定だという。
今回は台湾・ブラジルを含む国内外の4社のサンプルを打上げた。創薬を目的としたタンパク質結晶生成に加え、教育プログラムの一環として岩手県立花巻北高等学校生徒が条件検討したタンパク質結晶化溶液も搭載。有志の高校生約20名が参加し、宇宙実験やライフサイエンスに関する興味関心の醸成にも寄与した。
Space BD事業開発 山崎秀司氏コメント
今回は弊社にとって2回目となる打上げになります。お客様から預かったサンプルをパートナーのJAXA様、丸和栄養食品様とともに米国射場にて作業を実施しました。今後も創薬研究をはじめとし、お客様の様々なニーズに応えられるよう、事業開発とサービス品質の向上に努めてまいります。
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Space BDライフサイエンス事業・タンパク構造解析サービスについて
同社はISS「きぼう」船内実験設備を活用し、微小重力空間の特性を活かした高品質なタンパク質結晶の生成技術を使用しライフサイエンス事業「タンパク構造解析サービス」を展開。通常の新薬開発プロセスで膨大な時間を要す候補化合物の選定において、高品質なタンパク質の構造情報を基づいて実験をすることで、リードタイムを大幅に短縮し、コスト削減ができるという。
2021年5月のサービス開始から、2022年12月現在までJAXAのアカデミア公募案件をはじめとし、合計200以上(うちSpaceBD民間案件22を含む)のサンプル打上げを支援している。