一般社団法人ABLabが運営する宇宙ビジネスの実践コミュニティ「ABLab」において、「宇宙医療プロジェクト」のリーダーとして活動を推進する後藤正幸氏が、2022年2月、一般社団法人Space Medical Acceleratorを設立した。Space Medical Acceleratorは、「宇宙」と「医療」の専門知識を持つ事業コーディネーターとして、宇宙事業への参入を目指す企業向けにアドバイザリや事業創出の伴走支援を提供する。
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Space Medical Acceleratorのサービス
1.宇宙での医療に関する専門知見の提供
宇宙事業への参入検討段階、または市場調査段階の企業向けに、「宇宙での医療に関する専門知見の提供」を行う。
Space Medical Acceleratorでは、宇宙と医療、そしてビジネス面の知見を兼ね備えたチームを組織し、国内外の最新医学研究やビジネス動向について分析していく。また、中長期的な宇宙市場を見据えながらも、地上の課題解決にも展開していくデュアルユース志向でのアドバイザリを得意とする。
2.企業のコア技術を活かした事業戦略提案と共創事業の実施
宇宙分野での新たな事業創出に取り組む企業向けに、「企業のコア技術を活かした事業戦略を提案し、共創事業を実施」する。
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多くの企業が、宇宙での課題解決に活かせる技術を持つにも関わらず、そのほとんどが新規事業の創出に至っていない現状がある。そこで、宇宙と医療の専門知識を持つSpace Medical Acceleratorの伴走支援により、新規事業創出に向けた取り組みをアクセラレートしていく。
3. 各種公募やビジネスコンテストなどによる研究開発支援への紹介
具体的な商品開発やサービス開発フェーズに移ろうとしている企業向けに、「各種公募やビジネスコンテストなどによる研究開発支援への紹介」を提供する。顧客企業の状況に合わせたロードマップを描き、事業ゴールを相談のうえ提案していく。
Space Medical Acceleratorについて
一般社団法人Space Medical Acceleratorは、来たる宇宙開発時代を見据え、より多くの人々が宇宙進出・滞在するために必要となる医療技術やサービスを生み出す事を目的に、宇宙医学の知見を持つ医療者によって設立された。
設立メンバーは外科医で宇宙医学研究を行う代表理事の後藤氏をはじめ、航空宇宙認定医など宇宙医学の知見を持つ現役の医療者を中心に構成。新たな宇宙事業や宇宙用品の開発を目指す企業向けに、宇宙医療の専門家として実現まできめ細かな伴走支援を提供する。
宇宙での医療には「医療資源が限定される」「遠隔医療が中心」という難しさがあるが、これらは医療機関へのアクセスが難しい地上の僻地医療や、コロナ禍で対面診療が制限される現代社会にも共通する課題となっている。
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宇宙での医療技術の向上は地上医療の発展にも繋がるとして、宇宙で必要となる新たな医療を生み出し、その成果を地上の医療現場にも活かしていくとしている。
設立の背景
代表理事の後藤氏は、脳神経外科医として地方の病院に勤務する。臨床に力を注ぐ傍ら、医療者として人の宇宙進出に貢献することを志し、2019年にABLabで医療分野での宇宙ビジネス創出を目指す「宇宙医療プロジェクト」を立ち上げた。2020年にはJAXA主催のTHINK SPACE LIFEコミュニティへ参画し、宇宙生活という分野で新規事業を目指す多くの企業と交流を深め、彼らの宇宙事業へのハードルとなる課題について対話してきた。また、勉強会による知見の共有や、支援を希望される企業向けに個別に事業創出の支援も行ってきた。
Space Medical Acceleratorは、宇宙市場を目指す企業が持つ優れた技術シーズと、宇宙での医療ニーズを結びつけ、宇宙医療分野での新たな価値創造を目指す。一般社団法人という立場から政府機関・研究機関・産業界の各プレイヤーの間をつなぎ、それぞれが目指すところを実現できるよう支援を行っていくことで、医療という分野での宇宙産業全体の発展に貢献したいとしている。