ロサンゼルスで開催されたメディア&テクノロジーカンファレンスCode Conference 2015において5月27日、GoPro社創設者兼CEOニック・ウッドマン氏が登壇し、同社がVR(バーチャルリアリティ)と、噂されていたドローン技術を開発中であることを公式に表明し、その一部をいちはやく紹介した。
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ドローン(ウッドマン氏は終始「クアッドコプター」と呼んでいたが)については「GoProが正式にドローンを開発している」とアナウンスするにとどまった。GoProはすでにドローン市場にアクセサリーとして組み込まれており、他社製のドローンも引き続きサポートしていくことに変わりはないが、ユーザーにとってドローンの重要性がより増していくなか、GoPro自身が公式に市場に参入することに意味があると考えこの判断に踏み切ったとのこと。2016年前半のリリースを予定しているという。
いっぽうVRの方は、具体的には球形のマウントに6機のHERO4を装着し、全天球動画撮影を可能にするカメラアレイで、ウッドマン氏は実機をステージ上に持ち込み2015年後半のリリースを予定していることを発表した。このシステムで撮影した映像はOculus、Google CardboardやMicrosoft HoloLensのようなVRヘッドセットで体験したり、専用アプリやYouTube 360でパノラマ映像として視聴することができる。6つの映像を貼り合わせて継ぎ目のない全天球にするためには、GoPro社がこの4月に買収したVRソフトウェア企業Kolorのテクノロジーが活用されているという。
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この2つの発表はGoogle、Facebook、Microsoftといった巨大企業が競ってVRデバイスやプラットフォームの提供をビジネスの柱のひとつとして推し進めているなか、そのエコシステムの中でもっとも重要な「コンテンツ」を生み出す側に立つ企業としてのユニークな立場を確実なものにしていきたいという意図のあらわれと考えられる。実際に、競合過多なスポーツカメラ市場のなかでこのままなにもしなければコモディティ化が免れないとされ、あまり元気のなかったGoProの株価も、これらの発表の直後に4ヶ月ぶりの高値をつけている。
(@otachan)