ドローン開発エンジニアの為に最高の開発環境を用意
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名古屋を中心に日本全国へ、そして北米で活躍する産業用ドローンシステムソリューションカンパニーである株式会社プロドローン(以下:PRODRONE)。今年のジャパンドローン展などではKDDIやRIEGL、三菱重工などの多くの企業に機体を提供し、その完成度の高さでPRODRONEの機体ばかりが目立っていたという声も記憶に新しい。
三菱重工はじめ要求レベルの高い大手企業に支持され、産業用ドローン業界の中でも技術力には定評のある企業だ。
そんなPRODRONEが業務拡大のため、名古屋市の中心部栄から車で30分ほど離れた郊外名古屋市天白区へ移転したという。編集部は、栄にあるPRODORNE本社には何度かお邪魔したことがあるが、官公庁のようなオフィスビルに本社営業部と開発部を構えていた。
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しかしながら増える人材と研究開発と製造には、より設備の整った大きな社屋が必要ということもあり、急ピッチに拡大するPRODRONE社が移転したという。今回、施設内部を初公開した。
企業のオフィスというよりもまさにファクトリーであり研究所、テクノロジーセンターという佇まいだ。大きさにして敷地面積600坪、建物面積300坪を誇り、一人当たりの作業スペースが大幅に広がったという。産業用ドローン研究開発専用にここまでのファシリティーを整備しているドローン企業は日本にはまだなかったのではないだろうか?早速PRODRONEの河野社長にお話を聞きつつその施設を案内してもらった。
求められる優秀な人材のためにベスト環境作りを進める。河野社長が語る移転のきっかけ
一言で言うと「全てはドローン開発エンジニアの為に最高の開発環境を用意すること」我々は世界に誇るドローン技術を保持し顧客へ提供しています。弊社に持ち込まれる開発案件は、難易度の高いものが多く、また同時に開発スピードも強く求められます。
これまでPRODRONEは、名古屋市の中心部栄に位置していました。確かに一般的な意味で言うオフィス環境としては、とにかく便利で本当に最高のロケーションでした。
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しかし開発技術陣にとっては、広さの限られたフロアで、加えて各部署それぞれ階数の違うフロアを行き来するため非常に非効率でした。
また僅かな時間の試験飛行を行うにもオフィスのある名古屋市内から40分以上かけて郊外の飛行場まで行かねばならず非常に苦労していました。貴重な時間を開発時間以外に割くことになりこれを何とか早急に改善せねばならないと常々思っていました。
環境整備は社長の仕事です。1年半ちかく色々な物件を探し続け、ようやく条件に合ったこの場所を見つけることが出来ました。
今の我々に出来る最高の開発環境だと思っています。これまで階層が違っていた機体設計、ソフト開発、加工・製作、資材部などを今回、全てワンフロアに集約させることが出来、一気通貫で効率的に開発が進められます。
開発部のドアを開ければすぐ目の前に大きな屋内試験飛行場があり、天候に左右されず相当な項目の試験飛行が可能になり、技術陣から大変好評です。
また、インターからも至近でこれまで長い時間かかっていた郊外の飛行場までの時間も半分の時間で行けるようになり、屋外での総合的な試験飛行も非常に効率がよくなりました。
世界でもトップクラスの技術を持つ開発陣が思う存分力を発揮できる環境がここにはあります。しかしPRODRONEには、さらなる優秀なエンジニアの力が必要です。我こそはと思う方は一緒に世界市場に挑戦していただきたいと考えています。
創立してまだ4年余りだが、当初から環境整備は急務だったという。もちろん社内からもその声は上がり早急に応えたという。しかしながら、アクセスが良くこれだけの広さと設備を備えるためには候補地を探すだけでも相当時間を要したという。ドローンを開発するために設えられた施設は目を見張るものばかりだ。
全てはドローン開発のために用意された秘密基地。日々バージョンアップを続ける
社内には、ドローン開発のために設けられた特別仕様の専用施設が多い。まずは、天井高10m強を誇る屋内試験飛行場だ。雨の日でも同社が誇る巨大な機体も飛行可能だ。
開発部門の床は全て白で統一され、特に屋内飛行場の床は鏡面仕上げとなっている。細かいパーツでも床にあれば一瞥しただけでわかるような仕様だ。F1の開発工場や航空機の開発拠点などでもこの仕様になっているという。
同社が開発中のインフラ検査補修専用のPD8-PRは、天井面や壁面に張り付く形で液剤を塗布する特殊なドローンの一つだ。その塗布試験のために10mに及ぶ壁とバンクが常設で用意されている。壁の表面もグレーのマット加工が施されており、実際に液体を塗布した場合に塗布状況がひと目で分かるようになっている。
飛行場天井からはワイヤーが吊るされており、開発初期段階の大型機体試験のための安全確保に使用されるという。飛行場の床にもフックが取り付けられており同様に安全対策だという。
飛行場内には300インチの大スクリーンも設置され、試験飛行中のドローンからの映像やPCなどの画像、東京や海外など遠隔地からの映像など複数の情報を開発陣が同時に確認出来るようになっている。またこの大型スクリーンは、顧客向けに行う教育トレーニングや各種技術セミナー等にも使用されるという。
屋内試験飛行場や開発部門には、直接車両が乗り入れ、横付け出来るように配慮されており、試験機体の積み下ろしも非常に楽になったとのこと。
一人当たりの作業スペースは大きくかつワンフロワー。取材当日はNDAもあり企業秘密のドローンもあり白布に隠されていた(見てみたい!)
屋内試験飛行場横には執務室はじめ、複数のミーテングルームや加工室など必要な物は全て揃っている。これまでオフィスは部門別にフロアが異なっていたり、別拠点で開発が行われてきたが、新拠点ではワンフロアで全ての開発に携わる部署が一堂に会する。
声をかければ部署に関係なくディスカッションがすぐさま可能になる。すぐに皆で集まり試験飛行を行い、皆で問題解決にあたることが出来る。
音や粉塵の出る加工室は、他の開発部署の部屋とは区分けされており、集塵機や換気装置の整ったクリーンな環境に旋盤はじめボール盤など各種工作機器や最新の3Dプリンターなど一式が揃う。ふと思い立てば3Dプリンターでプロトタイピングもすぐさま可能になる。思いついたことがすぐさま形になる場所なのである。
現場の声
新しい環境を手に入れたPRODRONEで実際に働いているスタッフの方々はこの移転にはどう思っているのだろうか?現場の声も拾ってみた。
国井伸也氏(開発2部部長)
CADに向かう分集中する事ができる以上に、周りに様々な分野の開発の仲間がいる事が非常に心強いです。部署を問わずいつでも相談できるのが良いですね。アイデアがすぐ形になり飛行まで一気に行えるのでスピード感ありますよ。
国井氏は、ヘリ開発者であり、また競技用RCヘリの最高峰(F3Cクラス)の競技者でもある。隔年世界各地で行われるF3C世界選手権にも日本代表チームの一人として出場している。
谷川傑 氏(製造・フライヤー・サービス部)
新しい環境で非常に嬉しいです。全ての部署がワンフロアーにあるのは風通しが良くて、社内の雰囲気良いですね。
鵜飼大樹氏(製造・フライヤー・サービス部)
一人当たりの作業スペースが大幅に増えて非常に快適です。製作した機体を天候に左右されず屋内ですぐにテスト・調整出来るのは非常に助かります。あとはシャワーや宿泊施設もあるといいかもしれないですね(笑)。また鵜飼氏も国井氏と同様にRCヘリの最高峰F3Cクラスの競技者でもある。