独自のVTOL(垂直離着陸固定翼機)機である「QUKAI MEGA FUSION 3.5」の開発を進める空解。会場では本機が展示され、「長時間・長距離」でオペレーション可能であることを最大のメリットとしてアピールしていた。
多くのドローンの現場では長時間・長距離の飛行が要望される。それにより多くのミッションを効率的に完了させられるためだ。ただ、マルチコプターではバッテリーで飛行する限り、どうしても一定以上の飛行時間の伸長が難しい。その点、固定翼を備えるVTOL機であれば、飛行に必要な揚力を得やすくバッテリーを節約できるため、長時間・長距離飛行を実現しやすい。
その強みが最も活きるのは、噴火している火山など人が足を踏み入れられない危険な現場での情報収集だ。マルチコプターで1週間ほどかけて行っていた作業を、QUKAI MEGA FUSION 3.5であれば約30分間の遠隔操作による3Dスキャンで完了させられるという。同機は1回のフライトで必要な全データの取得を目指している。機体にはレーザースキャナーや可視光カメラなど複数のペイロードが搭載可能。3D点群データを取得しつつ、リアルタイム伝送可能な4Kカメラで撮影して遭難者を捜索するといったように、マルチタスクをこなしながら飛行ができるのだ。

日本でも災害対応としてVTOL機の導入を検討する機運が高まりつつある。同社では北海道の十勝岳や富士山といった活火山での実証も重ねている。噴火中や噴火直後の火山では、熱や有害な硫化水素ガスの影響を受け、飛行に支障をきたすことがある。同社ではこれまでの経験を踏まえ、危険領域を避けながら安全にチェックできる飛行ルートを設定して撮影やデータ取得を行っているという。
ブースには、VTOL機よりも手軽に運用できるランチャー発射型の無尾翼機のモックアップも展示されていた。VTOL機構を省き、可視光カメラだけを搭載して手軽に現場の様子を確認する初期サーベイ飛行に特化したタイプだ。最大40分程度の飛行を想定している。

燃料確保が難しい被災地において、一度の燃料補給で空中を広範囲からチェックできる長時間・長距離飛行可能な機体のニーズは確実に存在する。QUKAI MEGA FUSION 3.5をはじめとしたVTOL機に対する期待や需要は、今後ますます高まっていくだろう。