Autonomy HDは、ACSL創業者であり千葉大学名誉教授でもある野並健蔵博士が開発に携わったドローンを出展した。展示されたのは、最大50kgの物資輸送に対応する大型ドローン「Surveyor-X」や、富士フイルムの1億200万画素ミラーレスカメラ「GFX100S II」を搭載した「Surveyor-IV」など多岐にわたる
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その中でもひときわ注目を集めたのが、有線給電型ドローン「Surveyor-III」と、それに電力を供給するアイシンの水素燃料電池だった。
Surveyor-IIIは、100~240VのAC電源コンセントから直接給電が可能。ドローン本体と電源装置をつなぐケーブルは最大110mまで対応し、高所での長時間監視や、無線通信の中継機としての利用が想定されている。すでに実証試験が進んでおり、24時間連続稼働にも成功しているという。

一方、ドローンの給電元となる水素燃料電池は、自動車部品メーカーのアイシンが開発したもの。同社はこれまで自動車用水素燃料電池の研究を行っており、その技術を応用して可搬型発電機を開発。水素燃料と組み合わせることで、静かで排ガスを出さない発電装置が完成した。アイシンはこの装置をドローン用途にも応用できるのではないかとAutonomyに提案し、今回の出展に至ったという。
アイシンの担当者は出展の意図について次のように語る。
従来のエンジン式発電機とは異なり、水素燃料電池は静音性に優れ、排気ガスを出しません。そのため、住宅街や夜間、自然公園など静粛性が求められる場所での使用に適しています。ドローンは生態調査などにも活用されることがありますが、そうした用途においても静かな電源装置は大きなメリットになります。今回は、どのようなユースケースが想定されるか、実際に現場の声を収集したいと考えています

発電に必要な水素燃料は、ボンベを発電機に接続しておくだけで継続的に供給される。そのため、飛行プランに応じて必要な水素量を事前に算出しておけば、ほとんど人手を介することなく発電を継続でき、ドローンへの給電も途切れずに行える。長時間の飛行が求められる現場において、水素燃料電池の導入は新たな選択肢となり得る。今後の開発の進展に注目が集まる。