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特集

水素燃料電池で3時間の飛行を実現するMMCを直撃!〜[深圳ドローン紀行]Vol.02

2016年7月9日
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深圳市も認める産業用ドローンメーカーMMC

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Contents
深圳市も認める産業用ドローンメーカーMMC深圳市も後押しする技術力とスピードで進化を遂げる

先日、水素燃料電池を使って3時間のフライトを可能にするドローンを発表したMMC(Micromulticopter Aero Technology Co.,Ltd)。DJIも本社を置くドローン製造の世界的中心地、中国深圳市にその工場はある。コンシューマー向けはDJI、工業用はMMCという位置付けで深セン市も捉えており、MMCが深セン市に工場を建設する際には市からのサポートも受けているという。深圳ドローン紀行第2回目は、その注目のMMCに訪問し、海外担当であり副社長であるLing Lu氏にお話を伺うことができた。

SONY DSC

Swift F4中央下部にはマルチスペクトルカメラも搭載可能

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MMCの主力機種は農薬散布用のSwift F4、水素燃料電池駆動のHYDrone1800、そして汎用のPhoenix A6だ。それぞれ、全幅2000mm前後の大型機となっており、カスタマイズ性も高い。

SONY DSC

HYDrone1800の機体は大きさの割におどろくほど軽い

HYDrone1800の顧客は主に軍事利用とのこと。いまのところ、民生利用で3時間のフライト時間を要求されるものはそれほどないというのが主な理由だそうだ。工場エントランスに展示されていた機体を触らせてもらったが、機体は大きいものの非常に軽い印象を受けた。この軽量化もフライト時間の延長に寄与しているに違いない。

バージョン 2
HYDrone1800の3時間飛行を可能にする水素燃料電池部分

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汎用のPhoenix A6がMMCのメイン機体と言っていいだろう。ヘキサコプター型の機体は5Kgのペイロードで28分(2Kgなら43分)フライトできる機能を持つ。この高いペイロード機能とフライト時間を併せ持つリーズナブルな機体は市場にあまりなく、MMCが顧客を増やしているひとつの要因だという。

SONY DSC

Phoenix A6などMMCのフライトコントローラーはDJI製を搭載。安定したフライトを見せる

深圳市も後押しする技術力とスピードで進化を遂げる

広大な中庭はそのまま飛行試験場にもなる

しかし、MMCの本当の強みは製品の販売ではなく、機体をカスタマイズしてソリューションを提供するところだ。飛行時間はどれくらい必要で、防水・防火機能を持たせるか、動作環境の気温はどれくらいかなどの条件が必要になれば、それに合わせたカスタマイズが可能。加えて、センシング&分析を強みとする企業と提携しているので、MMCの機体をスマート農業に活用することもできる。現在はドローンを活用した測量でトップランナーであるスカイキャッチ社や3DR社とも提携を調整しているとのことで、そのソリューションの幅は今後広がっていくことだろう。

SONY DSC

MMC Ling Lu氏

日本の企業との提携の可能性も期待したいところだが、Lu氏によれば日本企業との提携はもちろん歓迎だが現状では実現していないという。まず日本側の情報が少なく、さらに、何社かは日本側からMMCにアプローチがあったが、連絡があったのみで進展したことはなかったそうだ。意思決定のプロセスが多すぎてジャッジメントに時間がかるとの厳しい指摘も。

アメリカは意思決定のスピードも早く、役割分担も明確かつオープンなのでパートナーとして組みやすい。機体の開発はMMCが担当し、分析やソフトウェアの提供をアメリカ側に求める。この構図でソリューションの幅とクオリティを拡大していく戦術だ。先日、オレゴン州ポートランドに拠点を開設したのも、このパートナーを探す来拠点としての役割が大きい。

年末までには600名の従業員を採用し、事業規模の拡大をさらに加速させる予定だ。これだけのスピード感で事業を拡大させていくと、ドローンパイロットの育成も間に合わないのではないかと思ってしまうが、中国では毎年500万人以上の新卒者が生まれ、成長産業でもあるドローン事業では人材が不足することはないのだという。政府の外郭団体でドローンパイロット免許を発行(中国では7Kg以上のドローンを飛行させる場合に免許が必須となる)する「AOPA(Aircraft Owners and Pilots Association)」の認定校も運営し、ドローンパイロット育成にも力を入れている。

DJIもそうだが、MMCの話を聞いていると日本企業とのスピード感の差を大きく感じた。パートナーとしても、市場としても見られていない日本、そんな印象を受けた。世界のドローン企業に遅れを取らないためにも、日本企業の根本的な意識改革が必要ではないだろうか。

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Editor 2016年7月9日
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