また、クラッチレバーやシフトペダル操作が不要の自動変速トランスミッション「Y-AMT」を備えた「MT-07 Y-AMT ABS」をバリエーションとして設定している。希望小売価格は、「MT-07 ABS」が税込968,000円、「MT-07 Y-AMT ABS」が税込1,056,000円。
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MT-07 ABSは「クロスプレーン・コンセプト※」に基づく水冷・4ストローク・DOHC・直列2気筒・688cm³エンジンを搭載したバイクだ。
※慣性トルクが少なく、燃焼室のみで生み出される燃焼トルクだけを効率良く引き出す設計思想
今回の「MT-07 ABS」は、”The Advocator of Riding Delight”をコンセプトに開発。トルクフルなエンジンに扱いやすいボディ、そしてコストパフォーマンスの高さなど従来からの特徴に加えて、大型スポーツバイクのエントリーモデルとして、質感、先進性、軽快感の充実を図った。
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主な変更点は、以下の通り。
- 「YCC-T」(電子制御スロットル)の初採用
- トルクフルなフィーリングを際立たせるサウンド
- 走行性アップに伴い剛性バランスを最適化した新設計フレーム&リアアーム
- 倒立式フロントサスペンションの新採用やリンク式モノクロスサスペンションのセッティング変更、「MT-07」専用設計のスピンフォージドホイールなど足回りの強化
- つながる機能搭載の5インチフルカラーTFTメーターや新作の小型LEDヘッドライト・LEDポジションライトなどの機能装備
- 大型バイクならではの走りの楽しさを予感させる新スタイリング など
新しい「MT-07」の主な特徴
CP2エンジンとして「YCC-T」を初採用
CP2(クロスプレーン・コンセプトの2気筒)エンジンではヤマハ発動機として初となる「YCC-T(Yamaha Chip Controlled Throttle=ヤマハ電子制御スロットル)」を新たに採用した。吸入空気の取り込みの最適化と合わせて、全回転域での滑らかなトルク特性を実現。CP2エンジンが備える扱いやすいトルクをよりリニアなものとし、ライダーの意志に沿ったレスポンスや出力特性をもたらしている。
また「YCC-T」化によって、好みや路面状況にあわせてエンジンの出力特性や各種電子デバイスの介入度を選択できる機能「YRC(Yamaha Ride Control)」や、シフトダウン側にも対応するクイックシフターの装備が可能になり(スタンダードモデルにオプション設定)、より幅広い走行シーンへの対応を実現している。
CP2エンジンのサウンドを作り込み
CP2エンジンが発する不等間隔爆発特有のサウンドは、高音と低音が混じり合った和音がベースだ。スロットル開度とエンジン回転数の上昇がもたらすそのサウンドを、よりトルクフルに感じられるよう吸気系をチューニング。ゴロゴロと唸るような「ランブル感」を引き出すことによって、MTシリーズのキャラクターを際立たせたという。
その実現のため、エアクリーナーボックス、吸気ダクト、吸気ファンネル、吸気口カバーなどの形状やレイアウトを検証・調整しながら最適化。吸気口で発生した吸気音がライダーの耳に効率的に届くようレイアウトや燃料タンクカバー4カ所の穴の設置など「アコースティック・アンプリファイア・テクノロジー」を採用し、ライダーへ魅力的なサウンドを届けるとしている。
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新設計フレーム&リアアーム
バックボーン型高張力鋼管フレームの設計を変更し、強度剛性を引き上げた。電子制御スロットルや新たな変速機構(Y-AMT)の搭載とエアクリーナー容量確保の両立、倒立式フロントサスペンションの採用、スタビリティの確保などの要件を満たすもので、ヘッドパイプを除くすべての部位のパイプワークや径、肉厚、板金などを最適化したという。
質量は、現行と同等(約14.8kg)としながら、倒立フォークの採用と合わせ、スタビリティ向上と軽快なハンドリングを実現する剛性バランスの最適化を図っている。
こうしたフレーム変更などに伴い、ライディングポジションも調整している。車体との一体感をさらに高め、スポーティな走行を実現するため、ハンドル位置を手前かつ下方へ変更し、グリップ幅を拡大。あわせてフットポイントを下げ、ポジションに余裕を持たせた。また燃料タンクとカバーのスリム化を実現し、ニーグリップ時のホールドのしやすさと一体感を向上している。
倒立式フロントサスペンションの新採用など足回りを強化
フロントにはφ41mmインナーチューブの倒立式サスペンションを新たに採用。リアにはプリロードと伸側減衰力の調整機構を備えたリンク式モノクロスサスペンションを搭載した。サスペンションは前後共に車体各部のアップデートやディメンションに合わせて剛性を最適化し、旋回時や制動時の良好な接地感を実現。優れた応答性を発揮する。
またフロントブレーキキャリパーには、取り付け剛性に優れるラジアルマウント式を新たに採用。安定した制動力と優れたコントロール性を実現している。
さらに大幅な軽量化(従来モデル比)とそれに伴う慣性モーメントの低減に貢献するスピンフォージドホイールを専用に新設計し、「MT-07」として初採用。俊敏なハンドリングを支える。
便利な機能
5インチTFTメーターを採用。速度やデジタルバーによるタコメーターの他、燃料計、平均燃費、水温計、気温計、シフトインジケーターなどの表示機能を搭載している。各機能の情報操作、セレクトはハンドルスイッチの操作で行う。表示パターンは、4種から選択可能だ。
また、専用アプリ「Y-Connect(Yamaha Motorcycle Connect)」をインストールしたスマートフォンと車両を接続し、手元でYRCのセッティングを行ったり、さまざまな情報や画像をメーターに表示できる。これにより車両の管理、電話やメールの着信通知など、多様なコンテンツが利用できる。
さらに「Garmin StreetCross」アプリをスマートフォンにインストールし、車両とペアリングすることによって、メーター画面上でナビゲーション機能も使用できる。
加えて、以下のような機能・装備を新たに採用している。
- 直感的に操作可能な新設計ハンドルスイッチを採用。「MT-07 Y-AMT」は、ハンドルスイッチ左側にシフトアップとダウンを担うシーソー式レバーを装備。また、ハンドルスイッチ右側には、AT/MTモードの切換ボタンを追加している。
- 新機能を搭載したフラッシャー(左右方向指示とハザード時の点滅機能に加え「二段階フラッシャー機能」「エマージェンシー機能」「消し忘れ機能」を新追加)
新スタイリング
“Natural Simplicity for everyone”をデザインコンセプトに、先代が築きあげてきた俊敏さに寄与する軽量スリムなボディ、トルクフルな走りを想起させるスタイリングを継承した。
様々な体格や幅広いライディングスキルをもつライダーが走る楽しさを享受できるよう、マシンのプロポーションやフォルムは、よりナチュラルかつシンプルに洗練させたという。特にタンク周りからシートにかけてニーグリップしやすくし、マシンとの一体感を感じやすいようにしている。
またイメージを一新した小型で薄い小径LEDヘッドライトを採用。その下部に薄型のポジションライトを配置し、二眼に見立てることによって、端正でありながら親近感を感じるフロントマスクとした。またテールライトも薄型の新作としている。
なおカラーリングは、ヤマハのレースイメージを強調する「ブルー」、MTシリーズの新たな象徴カラーとして鮮やかなスカイブルーのホイールを組み合わせ、未来的でクリーンなイメージの「マットライトグレー」、シリアスなスポーツイメージを高める「マットダークグレー」の3色。
電子制御シフト機構「Y-AMT」
「MT-07 Y-AMT」には、左手によるクラッチ操作と、左足によるシフト操作をアクチュエーターが担うことで、ギアチェンジを自動化したシステム「Y-AMT(Yamaha Automated Transmission)」を搭載した。「YCC-T」を含め、クラッチアクチュエーターやシフトアクチュエーターなどのレイアウトを工夫することによって、CP2エンジンならではの軽量コンパクトさを維持している。
ョートホイールベースで軽量な車体と新採用のサスペンションにマッチするように専用セッティングし、「MT‐07」本来の楽しさを簡単な操作で感じられる。「Y-AMT」を採用することで、有段トランスミッション特有のスポーティなシフトフィーリングを損なわず、ライディングの楽しさを最大限に引き出した。
なお、「MT-07 Y-AMT」はATモードを搭載している。街中やワインディングロードなどオールラウンドな走行に対応できるモードと、スポーティな走行が楽しめるモードを設定するとともに、迅速な加速を実現するためキックダウン機能を搭載。MT-07のエンジンに合わせた専用セッティングが施されている。
特長まとめ
- 新設計ハンドルスイッチ:「二段階フラッシャー機能」「エマージェンシー機能」「消し忘れ機能」追加
- 軽量アルミダイキャストハンドルクラウン
- つながる機能搭載5インチフルカラーTFT メーター(Y-Connect&Garmin StreetCross 対応)
- コンパクトな新ヘッドライト&ポジションライト
- φ41mm倒立フロントサスペンション
- ラジアルマウントブレーキキャリパー
- 専用設計の SPINFORGED WHEEL(スピンフォージドホイール/前後)
- 電子制御スロットルバルブ「YCC-T」採用
- 新ECU 採用
- 好みや路面状況にあわせエンジン出力特性や各種電子デバイスの介入度を選択できる機能「YRC(Yamaha Ride Control)」搭載
- トルク感を強調するアコースティック·アンプリファイア·テクノロジーの採用
- 外装デザインの刷新(燃料タンクカバー/サイドカバー/シート&シートカウル/フロントマスク/前後フェンダー/ミラーなど)
- 新作フレーム
- 新作テールライト
- 新作リアフレーム
- 新作リアアーム
- 前後ダンロップ製ラジアルタイヤSPORTMAX Q5A 採用
- A&Sアシスト&スリッパークラッチ(STDのみ)
- ギアドッグの本数最適化
- ◎新電子制御シフト機構「Y-AMT」採用
- ◎自動変速対応クルーズコントロール:クラッチアクチュエーター/シフトアクチュエーター
※◎はMT-07 Y-AMTのみ
スペック
認定型式/原動機打刻型式 | 8BL-RM48J (8BL-RM50J)/M427E |
全長×全幅×全高 | 2,065mm×780mm×1,110mm |
シート高 | 805mm |
軸間距離 | 1,395mm |
最低地上高 | 150 mm |
車両重量 | 183 kg (187kg) |
燃料消費率:国土交通省届出値 定地燃費値 | 39.8km/L[35.5km/L](60km/h)2名乗車時 |
燃料消費率:WMTC モード値(クラス) | 25.4km/L[25.8km/L](クラス3,サブクラス3-2)1名乗車時 |
原動機種類 | 水冷·4ストローク·DOHC·4バルブ |
気筒数配列 | 直列2気筒 |
総排気量 | 688cm3 |
内径×行程 | 80.0mm×68.5mm |
圧縮比 | 11.5:1 |
最高出力 | 54kW(73PS)/8,750r/min |
最大トルク | 68N-m(6.9kgf.m)/6,500r/min |
始動方式 | セルフ式 |
潤滑方式 | ウェットサンプ |
エンジンオイル容量 | 3.00L |
燃料タンク容量 | 13L(無鉛レギュラーガソリン指定) |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) |
バッテリー容量/型式 | 12V, 6.0Ah(10HR) /YTZ7S |
1 次減速比/2次減速比 | 1.925 (77/40)/2.687(43/16) |
クラッチ形式 | 湿式,多板 |
変速装置/変速方式 | 常時噛合式6速/リターン式 |
変速比 | 1速:2.846 2速:2.125 3速:1.631 4速:1.300 5速:1.090 6速:0.964 |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
キャスター/トレール | 24° 20′ /93mm |
タイヤサイズ(前/後) | 120/70 ZR 17M/C(58W)/180/55 ZR 17M/C(73W)(前後チューブレス) |
制動装置形式(前/後) | 油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ |
懸架方式(前/後) | テレスコピック/スイングアーム(リンク式) |
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ | LED/LED |
※[]は「MT-07 Y-AMT」