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今後、このパイロットラインで量産プロセスの確立に向けた技術検証を行いながら、並行してバッテリーセルの基本仕様を決定し、2020年代後半に投入する電動モデルへの搭載を目指すという。
Hondaは、全固体電池の量産プロセスの確立に向け、量産で必要な一連の生産工程を再現したパイロットラインを建設。パイロットラインの延床面積は約27,400㎡で、電極材の秤量・混練から、塗工、ロールプレス、セルの組み立て、化成、モジュールの組み立てまでの各工程の検証が可能な設備を備えている。
2024年春に建屋を竣工し、現時点で検証に必要な主要設備の搬入をほぼ完了した。このパイロットラインは、2025年1月の稼働開始を予定しており、バッテリーセルの仕様開発と並行しながら、各工程の量産技術や量産コストなどの検証を行う。
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Hondaは、従来の液体リチウムイオン電池の製造プロセスをベースにしながら、全固体電池特有の工程となる固体電解質層の緻密化に寄与し連続加工が可能な、ロールプレス方式を採用することで、電極界面との密着性を高めるとともに生産性を向上させる。
さらに、正極と負極の一体化を含む一連の組み立てプロセスを集約するとともに高速化することにより、1セルあたりの製造時間の大幅な短縮を目指す。
また、作業の安全性や電池性能の確保に必要な低露点環境を最小化する生産管理技術を構築するなど、使用電力をはじめとした間接コスト低減にも取り組んでいる。
こうした高効率な生産プロセスによってコスト競争力を高めるとともに、四輪車に限らず二輪車や航空機などHondaならではのさまざまなモビリティに適用を広げることで、スケールメリットを生かしたさらなるコスト低減する。
Hondaには、太陽電池や燃料電池など、新たな技術を量産につなげてきた豊富なものづくりの知見と実績がある。全固体電池においても2020年代後半の量産開始を目指して、材料仕様と製法の両軸からスピーディーな研究開発に取り組んでいる。
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電池の材料や仕様の決定以前の段階から生産技術部門が開発に参画し、車両搭載に適した構造や材料、製造方法などを定めることで、早期にパイロットラインの立ち上げを実現できたほか、材料の選定などを効率的に進めている。
Hondaは、2050年までに全ての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルの実現を目指しており、2040年までにEV・FCEVの販売比率をグローバルで100%にする目標を掲げている。
全固体電池は、エネルギー密度が高く高温に強いという特長を持っており、EVの航続距離や価格、充電時間などの課題を解決する次世代の電池として期待されている。
Hondaは、独自の材料設計による高いエネルギー密度と耐久性に加え、耐熱性の高さを生かした冷却構造の簡素化や高効率な生産プロセスによる低コスト化を実現することで、EVの大幅な性能進化と新たな価値創造を目指すとしている。
株式会社本田技術研究所 代表取締役社長である大津 啓司氏は、次のようにコメントする。
全固体電池は、EV時代におけるゲームチェンジャーとなる革新的な技術です。これまでクルマの進化を支えてきたエンジンに代わり、電動化のキーファクターとなるのがバッテリーであり、その進化こそがHondaの変革のドライバーになると考えています。全固体電池パイロットラインの稼働にめどがついたことは、日本およびHondaにとって重要なマイルストーンであると言えます。Hondaは、全固体電池を搭載したモビリティを早期に世に出し新たな価値をお客様に提供するべく、引き続きチャレンジを続けていきます。
全固体電池パイロットライン概要
所在地 | 栃木県さくら市下河戸1220-32 |
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敷地面積 | 約12,900平方メートル |
延床面積 | 約27,400平方メートル |
投資額 | 約430億円 |