航空機のミッションは、航続距離、速度、操縦性、サイズなどのトレードオフを設計中にナビゲートする必要がある。マルチモーダル航空機は、飛行中にこのトレードオフを交渉することを可能にする。ペンシルバニア大学のペンシルバニア・エンジニアリングGRASPラボおよび機械工学・応用力学部門が発表した論文にて、双安定空中変圧器(Bistable Aerial Transformer:BAT)ロボットを紹介した。
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このロボットは、通常の飛行に必要とされる以上の追加的なアクチュエーションなしに、急速な加速によってクワッドローターと固定翼のモードを切り替える、新しいモーフィングハイブリッド空中ビークル(HAV)だという。熱可塑性ポリウレタン(TPU)製のコンプライアントな双安定機構を採用し、ロボット本体の中心に大きな質量を持たせている。
また、双安定機構に接続された4本の棒のリンケージが、車両の翼を折り畳んだり出したりする。同論文では、ロボットの完全な設計と、製作されたシステムとエラストダイナミクス・シミュレーションとの比較が含まれている。飛行中の2つのモード間の移行に成功し、各モードでの飛行を維持した結果、クワッドローターモードでは機敏性が高く、固定翼モードでは飛行効率が高いことが示された。
このビークルは、操縦性と長距離飛行の組み合わせを必要とする監視やサンプリングのようなタスクのための制御可能な自己再構成のために、コンプライアント機構と双安定機構をどのように将来の空中ビークルに統合できるかを実証している。