今回は、HAPS向け次世代無人航空機より縮尺を小さくした機体であるサブスケールモデルを活用し、2023年3月14日(米国山岳部時間)に、米国アリゾナ州ウィルコックス・プラヤにおいて低高度での飛行試験を実施した。
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飛行試験で使用した機体は、ソフトバンクの子会社であるHAPSモバイル株式会社(以下「HAPSモバイル」)と米AeroVironment, Inc.(以下「AeroVironment」)が開発した無人航空機「Sunglider(サングライダー)」のサブスケールモデルだ。
「Sunglider」の現行機は、2020年9月に実施した実験で成層圏飛行に成功しており、ソフトバンクとAeroVironmentは、この実績を基に次世代機の開発に取り組んでいる。航空機の開発においては、実際の機体を開発・製作する前に、設計した通りに機体が飛行するかを検証する必要がある。
今回の飛行試験では、形状や特性などが同じ条件になるように工夫して製作した複数のサブスケールモデルを使用して、設計通りに安定して飛行することができるかを検証した他、実際の飛行を通して、コンピューターのシミュレーションだけでは得られない機体の構造特性などさまざまなデータの収集を行い分析した。
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ソフトバンクとAeroVironmentは、今回の飛行試験で得られたデータや知見を次世代の機体開発に生かしていくという。また同時に、ソフトバンクとAeroVironmentは、「Sunglider」の商用化に向けたFAAの型式証明の取得や、機体の量産化に向けた設計の改良にも継続して取り組むとしている。
ソフトバンクの先端技術研究所 先端HAPS研究室 室長で、HAPSモバイルの技術管理本部 本部長の中島潤一氏は、以下コメントした。
次世代機の候補となる形状や特性を再現した複数のサブスケールモデルを製作して飛行実験を繰り返すことにより、コンピューターのシミュレーションでは得られない次世代機の設計と制御に関する重要なデータを得ることができました。引き続き、成層圏からのモバイル通信サービスの実現に向けた機体と要素技術の開発を進めていきます