完成したプロトタイプは、2023年6月3日(土)~7日(水)に福岡・久留米市で開催される「第34回ISTS国際宇宙展示会」のブース出展で、初めて展示される。
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月面での生態循環維持システム構築に向けたプロジェクトのひとつである小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ Alpha」は、微小重力環境における細胞培養実験に特化した装置。ISSの限られた空間でも簡単に片手で試料容器や送液系の機能などを含むカートリッジの着脱ができ、ユーザビリティを意識した設計となっている。
植物生理の研究を主目的とした小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ(アマツ)」の基本設計はそのままに、細胞の培養実験に必要な試料容器の機能やサイズとなっている。
次のステップでは、本装置内で細胞培養における培地および試薬の自動送液機能や、内蔵の細胞観察機能などを実現するため、検討と開発・研究を進めるという。
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AMAZ Alpha
本装置は、AMAZの設計思想そのままに、細胞実験を目的とした小型の宇宙実験装置。AMAZ同様、月面と同じ地球の6分の1の重力の他、回転速度を変更することによりさまざまな重力環境を再現し、同時比較することが可能。多様な重力下での培養を通して、細胞の重力応答などの基礎データを取得できる。
これまでの細胞培養の宇宙実験では、培地の交換など宇宙飛行士による操作や作業が発生していましたが、本装置では培地や試薬の自動送液機能を搭載し、宇宙飛行士の作業工数を削減できる。また、細胞観察を行う機能として、光学観察装置を内蔵する予定。組み込まれた光学観察装置により、実験環境下のまま細胞の変化を観察可能。
2025年ごろのISSへの打上げを目指し、本装置の研究・開発を進めてり、民間企業や研究機関向けに実験環境として提供するという。