本実験は、株式会社プロドローンおよびノータム合同会社、株式会社真庭運創研で構成された「甑島地域ドローン物流コンソーシアム」によるもの。
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近年、地方を中心に食料品の購入に不便や苦労を感じる「買い物弱者」が増加しており、新たな輸送手段としてドローンが期待されている。そこで本実験では、鹿児島県本土の西方約30kmの東シナ海上に位置する上甑島にて、長時間飛行可能なドローンによる本土からの直接輸送の実証実験を行った。
実証実験概要
当日の天気は晴れ、離発着地点の風速はときおり8m/sの強風が吹く中、本実験を実施した。離陸重量は20kgで、「PD4B-M」2機が同時に実際の運用を想定した片道26kmのフライトを行った。高度50mのルート(低速用)と高度65mのルート(高速用)を設定し、途中で高速ドローンが低速ドローンを追い抜くなどが見られたという。
有翼機やシングルコプターよりも航続距離で不利とされているマルチコプター型ドローンだが、マルチコプターでも25kmを超えるフライトが可能であることは本実験より証明された。また有翼機よりも離着陸の際の風に強く、シングルヘリコプターよりもシンプルでメンテナンスが容易であるメリットと併せ、同社は今後課題となってくる運用コストの低減に大きく寄与する事例とみている。
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さらに、片道のフライト終了後のバッテリー残量が、低速ドローンの場合30%、高速ドローンの場合40%だったことから、機体としての性能も十分に余力が残ったことがわかった。同社は今後も、各関係者とともに実際の運用にむけ協力していくとのこと。
実証機として「PD4B-M」を採用
本実証で使用した機体(PD4B-M)は、軽量ながら10kgのペイロードがあり、なおかつ長時間飛行することができる。なお、今回の実証は海上物流のため、機体下部に物流用ボックスとフロートを搭載した。
基本スペック
- プロペラ直径:780mm
- 重量:12.3kg(バッテリー込み)
- 飛行時間:45分(ペイロードなし)
- バッテリー:22,000mAh×2本
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