目的
今回の実証実験は、「物流の強靭化とCO2排出量削減」がコンセプト。検証をおこなった乗本地区では、川を隔てて地域が分かれていることにより、配送においても自動車では遠回りになってしまうことが課題となっているという。
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そこでグリーンサービス、およびユタカコーポレーションは、新城市と豊川市を交えた東三河ドローン・リバー構想推進協議会を発足し、河川上空をドローンの空路として活かした物流の可能性を検討し、今回の実証実験の実施を決めた。
今回の実証実験では、ドローンと自動車を組み合わせて配送を行うことにより物流配送網の可能性を広げることを目的とし、CO2排出量削減を目指すとともに、ドローン配送の社会受容性を検証した。
実証実験概要
新城市「ながしのクリニック」の医師と新城市大野地区の患者とのオンライン診療を行い、医師から処方された医薬品をグリーンサービスが自動車で乗本地区のドローン離着陸場まで搬送。その後医薬品をドローンの医薬品専用ボックスに格納し、宇連川上空を北東に大野地区までドローンにて空輸し、大野地区の患者の駐車場まで届けた。
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配送ルート
今回は河川上空を空路として利用。河川上空でのドローン物流実装を促進することで、地域課題の解決や地域活性化が期待されるという。国土交通省では、河川空間を活用したドローン物流の実証実験を推奨しており、更なる活性化のためのルールづくりや支援策が必要とされている。
会場にて実況中継
ドローンの第三者上空飛行を実現しドローン配送を社会実装するには、安全な運航管理体制が求められる。同実験では、国が求める要件を満たすための安全管理の管制室機能のプロトタイプを考案し実験した。具体的にはドローンからの空撮映像やテレメトリーデータによる「空の道の安全確認」と配送先の「空の駅の安全確認」を同時に遠隔監視するシステムおよびネットワークを構築し、そのデモンストレーションを各町の管制拠点(乗本公民館)から実況中継を行うことで、地域住民と見守った。
医薬品配送のガイドラインに準拠
同実験では、国のドローンによる医薬品配送のガイドラインに準拠し、医薬品配送に必要な温度管理を厳密に行った。また、スマートフォンでのロックおよび解錠が可能な箱を使用し、セキュリティ対策を万全にし、受け取りの誤りがないようにしたという。
今後の展望
今回の実証実験により、ドローンと自動車をかけ合わせた配送により、二酸化炭素の排出削減だけでなく、物流業における人材不足の解消にも繋がることが期待できたとしている。また、乗本地区の住民向け説明会でもドローンが飛行することへの地元住民からの理解をスムーズに得ることができ、かつ大きな期待が寄せられているという。
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今回の実証実験では、河川の上空のみを飛行するルートでしたが、今後はより長距離の飛行や、第三者上空(レベル4)飛行の実現に向けてさらなる検証を重ねていきたいとしている。
CO2削減が期待されるドローン配送の可能性
現時点では荷物の配送を行う車両の大半がガソリン自動車だが、これをバッテリーで飛行するドローンに置き換えられれば、排気ガスの形で排出されるCO2を削減できる。またドローン配送において渋滞のようなものはなく、配送が効率化されることで、トータルで使用されるエネルギー量の抑制が期待されているという。