BambooBotは、自律的にフロアを巡回し、人の代わりに環境計測や設備点検を定期的に行うロボット。巻尺を用いた独自技術(特許申請中)により、40cm四方のロボットにて約2mの高さまでセンサやカメラを昇降させ、通常困難な場所も含めて3次元のあらゆる位置の計測が可能なことが特徴だという。さらにセンサやカメラから得られたデータを元に点検・警備を行うこともできる。
- Advertisement -
これまで戸田建設では、ビル内環境を最適に保つため、空気質などの環境計測を固定センサや移動ロボットで行ってきたという。しかし、高さを変化させて計測することができないことが課題となっていた。今回の共同研究により水平方向だけでなく、床面から天井まで高さを変えながら環境計測を自動で行うことが可能となる。
BambooBotを用いた実証実験として、執務スペースの床面・作業机・天井と高さを変えながら、作業場の照度が労働安全衛生規則を満たしているかを確認する法定検査の自動化実験を行った。その結果、いずれの作業エリアにおいても法定基準を満たしているというレポートを作成することができだという。また、部屋の形状によって光の当たりづらくなる領域ができることがわかり、内装の最適化に役立てることもできるようになったとしている。
RoboSapiensの代表長尾俊氏は、次のようにコメントしている。
- Advertisement -
長尾氏:BambooBotは巻尺の機能を用いることで、水平方向に移動できるだけでなく、垂直方向にも自由にセンサを昇降させながら自動で環境計測を行うことができます。床から天井近くまで、今まで計測が難しかった位置を含め立体的に環境計測を行うことで、より詳細なデータを収集することができるので、設備点検業務の自動化や、新たな施設管理戦略のためのデータ提供が可能になります。
また、戸田建設DX推進室主任の田村秀一氏は次のようにコメントしている。
田村氏:オフィスビル内の環境は固定センサを設置して計測することがほとんどです。しかしオフィスビル内では様々な理由から固定センサを設置できない箇所があり、それが環境計測ができない「計測の空白地帯」の発生につながります。BambooBotは「移動できるセンサ」であるとともに計測高さが可変であることから、オフィスビル内を3次元的に計測し「計測の空白地帯」を解消することができます。